シーズン1の経験値がある分、撮影もスムーズに進行。そのロスのなさこそ、「コールドケース」の現場の素晴らしさ。
レギュラー陣が長距離走的に熱量を注ぐとすれば、ゲストの方々は短距離走のごとく瞬間的に熱量を注入していらっしゃるのかな、と感じたりもしました。
たぶん僕らレギュラーの5人ともそうだと思うんですけど…いや、実際には話していないから本当のところは分かりませんけどね、ゲストで来てくださる役者のみなさんのことを、心からリスペクトしているんです。チーフ監督の波多野(貴文)さんをはじめとするスタッフのみなさんも、ゲストの方々に、まずは「ご自由に演じてみてください」と、それぞれのパーソナリティーを尊重された上で肉づけしていく、という進め方をされていて。馴れ合うんじゃなくて、誰もが敬意を払い合って仕事をしているんです。そういった相乗効果も「コールドケース」の現場はあるんじゃないかなと、個人的には感じていて。僕が言うのもおこがましいんですけど、(三浦)友和さんを筆頭に──ゲストの方に芝居で余計なことを仕掛けないんですよ。
やはり岡野プロデューサーがおっしゃっていましたが、ゲスト俳優のみなさんも「歓迎されている」雰囲気を嬉しく感じていらっしゃったそうです。
ああ、それは本当に嬉しいなぁ…。キャスティングがまたね、「え、ここでこの方が出てくださるの!?」というような、役としては小さいかもしれないですけど、ものすごく配役にこだわっているんです。だから、ドラマそのものも面白くなっているんでしょうね。
光石さんご自身がほかの現場で、「コールドケース」に出たいんですよ、と言われたことはあるんでしょうか?
それね、結構言われました。「でもね、俺にはどうすることもできないんだよ…」って返しましたけど(笑)。いや、でも本当に役者さんや関係者の方でも「コールドケース」のファンが多くて、「シーズン1、一気見しちゃいましたよ」って、つい最近も言われたばかりなんですよ。
それこそ、佐藤浩市さんもシーズン1を全話ご覧になっていたそうですね。しかも、聞くところによると光石さんが主役の回をご希望されたとか。
僕のためだけじゃなくて、これまで一緒に作品を作ってきたスタッフの方々の尽力と熱意に応えてくださったからなんですけどね。でも、「どうせ出るなら、研ちゃんの回がいいな」と言ってくださって…本当、感謝の二文字しかないです。
もう1人のゲストである吉岡秀隆さんも、現場で坊主になさったというエピソードを聞いて、驚きました。
ビックリしましたよ、坊主にしているって現場で聞いて。僕でさえ、自分の行きつけの美容室に行きますよ(笑)。そういう、たった1話のために役に全力を注いでくださる心意気が、本当に嬉しいですよねぇ。なので、浩市さんと吉岡さんが出てくださった第4話は、ひときわスゴいことになっています。実際、ご一緒してお二方が伊達に何十年もスクリーンの中に映り続けてきたわけじゃないことを、肌で感じましたから。何て言うんだろうな…映画の世界でやってきたという矜持がやっぱりあるんでしょうね、とにかく迫力がありました。
4話のオンエアも楽しみにしております。豪華なゲストもさることながら、「コールドケース」と言えば、捜査一課5人の“会議”シーンの濃密さが見せ場でもありますが、今シーズンはワンシーン・ワンカットの撮影が多かったと聞いておりまして。
そうそう、多かったですね。

連続ドラマW「コールドケース2 ~真実の扉~」第1話より
© WOWOW/Warner Bros. Intl TV Production
これは余談ですけど、昨年の記者発表の際、ワンカットで撮る派かカットを割る派かで、5人で多数決を取っていらっしゃったんですが、2対2に分かれたところで、最後に光石さんが答えることになって。そうしたら、「監督にまかせる」派という中道を選んでいらっしゃいました(笑)。
ワハハ! いやぁ、自分で言うのも何ですけど、バランスを取ろうとして、ものすごく周りを見ていますね(笑)。何か中間管理職みたいだなあ、俺。
ただ、その5人の中でバランサーたる存在であるのは、演じていらっしゃる金子刑事=ネコさんとダブるところがあります。
アツい立川を「まぁ、まぁ…」って制止したりね。
話を戻しますけど、ワンカットで撮るシーンの画ヂカラみたいなものって、役者さんからご覧になってもあるのでしょうか?
そうですね、やっぱり集中しますし、長くカメラをまわすということはいろいろなところが映るということですから、各パートも準備をしっかりしなければいけないわけで。そういう意味では大変なんですけど、その分、濃密なものにはなりますね。

もちろん、カットを割る場合の良さもあるわけですよね。
それはもちろん、はい…。でもね、正直なところ、僕は長回し(ワンカット)でもカットを割るのでも、どっちでもいいんですよ(笑)。育ちとしては、カットを割って撮ってきたところがあるんですけどね。そういえば、この前、若いカメラマンさんと話していたんですけど、その人は「カットを割ると、映すための画を撮っている作業のような感じがする」と言っていて。その分、長回しは役者と一緒に芝居をしている感じがするって。確かに、言わんとしていることは分かる気がしました。特に最近はマルチアングルのワンカットで撮ることが多くなってきたから、どのような撮り方でも僕らは対応できるようにしておかないといけないな、と思っているんです。
現場に立った時、どんな撮り方であっても最高のお芝居をするだけである、と。
カッコよく言えばそういうことなんですけど(笑)。ただね、「コールドケース」の現場は同じシーンをアングル違いで何テイクも頭から撮る、ということがほとんどないんですよ。わりと、ドラマは一つのシーンでカメラ位置を変えて何度も撮る場合が多いんですけど、「コールドケース」はそれをほとんどやらないんです。だから、効率よく…って言うと聞こえがよくないかもしれないですけど、僕らとしては芝居の鮮度が高いうちに撮ってもらえるので、そこも嬉しかったりするんですよね。スタッフもアングルを変えるとなると、美術部も照明部も一緒に準備しないとならないから、手間がすごくかかるんですよ。その分、厳選して撮っているし、しかもシーズン2は経験値があるだけに前回にも増してスムーズに撮影が進んでいった覚えがあります。もう息もピッタリでしたから。
あ、確かに…。と、これまた余談ではあるんですが、光石さんの中で「コールドケース」になっている未解決な出来事ってあったりするでしょうか?
う~ん、僕の中の未解決事件!? 何だろうなぁ…じゃあ、もしシーズン3があったら、その時の取材までに考えておきます(笑)。
期待しております! では、最後に“シーズン2”の放送を楽しみにされているみなさまへ、メッセージをお願いします。
とにかく、シーズン1の2倍も3倍も…いや10倍も20倍も面白くなっていますし、スタッフ陣が寝る間も惜しんで完成させてくださった、血と汗と涙の結晶のようになっていると自負しています。得することはあっても絶対に損はさせない作品ですので、ぜひとも、ご覧ください。各話で使われている音楽も今回は邦楽が中心になっていて、これがまた物語とリンクしていて、やけにグッとくるものになっていますので、そちらの選曲も楽しんでいただけたらいいなと思っています。
石川百合 役・吉田羊さんインタビューはこちら
連続ドラマW コールドケース2 ~真実の扉~
10月13日(土)スタート(全10話)[第1話無料放送]
WOWOWプライム
毎週土曜 夜10:00
出演:吉田羊 永山絢斗 滝藤賢一 光石研 / 三浦友和 ほか
監督:波多野貴文(「SP」シリーズ、「わたしに運命の恋なんてありえないって思ってた」) 内片輝(「連続ドラマW 殺人分析班」シリーズ) 守下敏行(「バイプレイヤーズ ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」)
脚本(話数順):吉田康弘(「連続ドラマW プラージュ ~訳ありばかりのシェアハウス~ 」) 酒井雅秋(「破門(疫病神シリーズ)」) 野木萌葱(舞台「怪人21面相」) 瀧本智行(「連続ドラマW 北斗 -ある殺人者の回心-」) 蓬莱竜太(『ピンクとグレー』) 瀬々敬久(『友罪』)
音楽:村松崇継(『メアリと魔女の花』)
撮影監督:山田康介(『シン・ゴジラ』) 榊原直記
<ストーリー>
とある大学の敷地から白骨遺体が掘り起こされる。神奈川県警捜査一課の刑事・石川百合(吉田羊)と高木信次郎(永山絢斗)は先に現場にいた同僚の金子徹(光石研)、立川大輔(滝藤賢一)と合流。遺体と一緒に埋められていた学生証から被害者は橋本誠司(吉村界人)だと分かる。橋本は1971年に起きた、学生と機動隊が激しく衝突した横須賀暴動に参加した後、行方不明になっていた。
後日、捜査一課に橋本の娘と名乗る恵美(奥貫薫)が来訪。恵美は、橋本と母は学生時代、過激派の活動家だったことを語る。恵美と母は、毎年橋本とおぼしき人物から送金を受けていたので今も彼がどこかに潜伏中だと考えた課長代理の本木秀俊(三浦友和)ら捜査陣は、送金用の封筒にある外国の消印に着目。外国滞在期間が30年以上あるため失踪事件の時効不成立の可能性が浮上し、捜査を始める。
© WOWOW/Warner Bros. Intl TV Production
オフィシャルサイト
https://www.wowow.co.jp/dramaw/coldcase2/
光石研
1961年生まれ。78年に映画「博多っ子純情」でデビューし、幅広い役柄をこなす名バイプレーヤーとして活躍。
最近の出演作では、ドラマ「ハゲタカ」、「星屑リベンジャーズ」、10月20、27日NHKで放送される「フェイクニュース」、映画は「友罪」、「羊と鋼の森」、「君が君で君だ」、「教誨師」、「モリのいる場所」(2018年)など出演作多数。






