吉田羊の未解決事件(コールドケース)とは!?
『コールドケース』は毎回豪華なゲスト出演も見どころです。特に第二話で飄々と不気味な凶悪犯罪者を演じた宮藤官九郎さんには鳥肌が立ちました!
宮藤さんのお芝居って先が読めないから、受けるこっちも出たとこ勝負で楽しかったですね。不気味な人って悲しいんですよ。不気味であればあるほど悲しみが色濃くなって、第二話は台本を読んでいるときは、彼の告白を聞いて自分が泣きたくなるとは思いもよらなかったんですが、実際に宮藤さんと対峙したら泣けてきちゃって…。ここで泣いたら百合じゃなくなると思ったので本番では我慢したんですが、それぐらい並々ならぬ熱量であの役を演じて下さったんだなと感激しました。

連続ドラマW「コールドケース2 ~真実の扉~」第2話より
© WOWOW/Warner Bros. Intl TV Production
百合の立場としては犯罪者を許してはいけないんですが、どこかで犯罪者の孤独や歪さに共鳴する部分もあるのが人間としてリアルですし、作品全体にも複雑な奥行きを与えている気がします。
百合にとって犯罪者は、悪者ではなく弱者なのだと思います。だから正義でもって悪を成敗ではなく、どこかで相手を救いたいと思っている。犯罪に至った経緯を詳らかにすることは、事件解決だけでなく、救いでもあるのです。また、罪を犯した人を完全な悪者では終わらせないのが『コールドケース』というドラマの特徴であり魅力でもあると思います。どこか悲しみだったり、孤独だったりをまとわせて終わるエピソードたちは、他の刑事ドラマにはない余韻を残してくれますよね。

犯罪サスペンスと呼ばれる作品は幾多あれど、そこから人間が見えてくるものは意外と少ないですよね。
ないですよねえ。事件解決の刑事ドラマではなくて、あくまで人間をフューチャーした人間ドラマとして作っているからこそ、犯罪者も単純な悪人としては描いていないし、本当に一話一話丁寧に作っているので、毎週映画を見ているような重厚感がある。本当に上質のクライムサスペンスだと思います。
チームの作品に懸ける意気込みは現場でも随所に感じられますか?
感じますねー。やっぱりいい意味で妥協を知らないチームなので、たとえば役者が、“ここが気持ち悪い”といってディスカッションが始まると現場は止まってしまう。そうすると撮影は時間との闘いにもなってくるんですけど、そういう中でも絶対に役者の気持ちをないがしろにしない。皆さんきちんと待って、聞いていて下さる。で、やり直したいとなると再度照明を組み直さないといけないといったことが起こってくるんですが、それを「いや、こういうのが欲しいんですよ」っておもしろがって下さる方たちなんです。本当に皆さんプロで、尚且つものづくりが大好きな方たちなんだなあ…と思いますし、こういうチームが作るんだからおもしろくないわけがない!と納得させられます。

連続ドラマW「コールドケース2 ~真実の扉~」第1話より
© WOWOW/Warner Bros. Intl TV Production
ストーリー的にも安保闘争だったり、薬害エイズ事件だったり、実在の事件や社会問題が巧みに盛り込まれていて、地上派ではなかなかあそこまで踏み込めないという気がします。
みなさんがなかなか手を出しにくい、タブーとされているテーマにあえて果敢に挑戦していく。それこそが私はWOWOWドラマの強みであり、個性だと思うし、そういうタブーこそ本当はみんなが知りたいことだとも思うので、『コールドケース』でもそれは取り扱っていきたいですね。
そういう内容的な意味でも、『コールドケース』は海外ドラマの日本版として始まったものではありますが、もはや日本独自のものといっていい気がします。
そうですね。時代設定もそうですし、特にシーズン2では音楽(毎回事件の時代とリンクした楽曲がテーマソング的に使用される)もすべて邦楽を使っているので、より日本の皆様が見聞きしたことのあるワード、聞いたことのある音楽が盛り込まれているので、当時の自分のことを思い出して自分のこととしてドラマを見ることができる。いつのまにか、そのドラマの中に自分がいる感覚で見ていただける作りになっている気がします。
ちょっと気が早いですが、シーズン3も期待できそうですね。
やりたいですねえ。本家はシーズン7までありますから。ただ、私の願いとしては本家を超えて、日本人らしく末広がりの8までやれたらいいなって(笑)。
最期にベタな質問ですが、「吉田さんのコールドケース」は?
そうですね、シーズン1のときに私、役者の飲み会をしますと宣言しておきながら、結局できないままで終わってしまって。三浦さんに「やってねえじゃねえか」と言われたので、シーズン2が始まるときに招集を掛けたんですけど滝藤さんが来れなくて。それはまだ未解決なんです。
皆さま名バイプレイヤーですから撮影以外で全員がとなると難航しそうですね。
そうなんですよ、滝藤さんが来れると思ったら光石さんがダメだったり。逆に、そういう凄いメンバーが集ってるって奇跡的な作品だなと思いますね。
いや、本当にこれだけ素晴らしい役者さんが揃われてるって見る側としても至福です。ご本人も役柄も、皆さんそれぞれ味があって…。
本当にバランスがいいんです。皆さん大人の距離感をお持ちなので、いい意味でほっといてくれるし、シーズン2では皆さんそれぞれのキャラクターが体に馴染んでますから、大きく振ったところで軸はブレないなという感じを受けたので。ぜひシーズン1にはない各々のエピソードも楽しんでいただければ嬉しいですね。
金子徹 役・光石研さんインタビューはこちら
連続ドラマW コールドケース2 ~真実の扉~
10月13日(土)スタート(全10話)[第1話無料放送]
WOWOWプライム
毎週土曜 夜10:00
出演:吉田羊 永山絢斗 滝藤賢一 光石研 / 三浦友和 ほか
監督:波多野貴文(「SP」シリーズ、「わたしに運命の恋なんてありえないって思ってた」) 内片輝(「連続ドラマW 殺人分析班」シリーズ) 守下敏行(「バイプレイヤーズ ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」)
脚本(話数順):吉田康弘(「連続ドラマW プラージュ ~訳ありばかりのシェアハウス~ 」) 酒井雅秋(「破門(疫病神シリーズ)」) 野木萌葱(舞台「怪人21面相」) 瀧本智行(「連続ドラマW 北斗 -ある殺人者の回心-」) 蓬莱竜太(『ピンクとグレー』) 瀬々敬久(『友罪』)
音楽:村松崇継(『メアリと魔女の花』)
撮影監督:山田康介(『シン・ゴジラ』) 榊原直記
<ストーリー>
とある大学の敷地から白骨遺体が掘り起こされる。神奈川県警捜査一課の刑事・石川百合(吉田羊)と高木信次郎(永山絢斗)は先に現場にいた同僚の金子徹(光石研)、立川大輔(滝藤賢一)と合流。遺体と一緒に埋められていた学生証から被害者は橋本誠司(吉村界人)だと分かる。橋本は1971年に起きた、学生と機動隊が激しく衝突した横須賀暴動に参加した後、行方不明になっていた。
後日、捜査一課に橋本の娘と名乗る恵美(奥貫薫)が来訪。恵美は、橋本と母は学生時代、過激派の活動家だったことを語る。恵美と母は、毎年橋本とおぼしき人物から送金を受けていたので今も彼がどこかに潜伏中だと考えた課長代理の本木秀俊(三浦友和)ら捜査陣は、送金用の封筒にある外国の消印に着目。外国滞在期間が30年以上あるため失踪事件の時効不成立の可能性が浮上し、捜査を始める。
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オフィシャルサイト
https://www.wowow.co.jp/dramaw/coldcase2/
吉田羊
福岡県生まれ。1997年、舞台デビュー。2014年、大ヒットドラマ『HERO』で注目を集める。ドラマ『真田丸』『コウノドリ』など多数出演。今秋は本作のほかに、ドラマ「中学聖日記」(TBS)に出演。主演映画『ハナレイ・ベイ』は10月19日より公開。11月には映画『母さんがどんなに僕を嫌いでも』がある。






