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大作RPGよりも長く遊べる!? 何十時間でもプレイできる『ウイニングイレブン 2019』

大作RPGよりも長く遊べる!? 何十時間でもプレイできる『ウイニングイレブン 2019』

日本では『ウイイレ』の愛称でおなじみ、サッカーゲームの代表的存在である『ウイニングイレブン』シリーズの最新作、『ウイニングイレブン 2019』がリリースされておよそ1ヵ月。前回の記事では、家庭用ハードがほぼ常時オンライン接続化されたことによって実現した海外サッカーの動向との深いリンク、そして近年急激に進化している現代サッカーの戦術に合わせて進化するゲームシステムについて紹介した。レビュー後編となる本稿では、『ウイイレ』が初期シリーズから備えている、”ひとりでじっくり遊べる”オフラインのゲームモードについて紹介していく。

文 / マンモス丸谷


ドラマ性が増したマスターリーグ

ひとりで『ウイイレ』を楽しむゲームモードとしてまず筆頭に挙がるのは、自らがプレイヤーとチーム運営の両方を担当し、理想のチームを作り上げていく”マスターリーグ”だろう。充実し続けるオンライン要素や対戦の魅力に押されて、ここ数年はあまり語られることが少なくなっていたマスターリーグだが、その魅力はいまだ健在……どころか、パワーアップを続けている。

しばらく『ウイイレ』から離れていたユーザーが今回のマスターリーグを見てまず驚くと思われるのが、監督としてシーズンを戦うプレイヤーの気持ちをアゲる、演出面の進歩。マスターリーグのメニュー画面を海外サッカーの情報サイト風レイアウトに一新し、自チームに関するなんらかのトピック(連勝記録の更新、特定スター選手の加入、若手選手の急成長etc……)が起こったら、サッカーサイトのニュース記事っぽい画像&テキスト付きで表示し、淡々と試合をこなすだけになりがちだった過去のマスターリーグにはない、演出面での起伏が施されている。

▲海外サッカーファンには、「Goal.comっぽい」と言えばわかってもらえるであろう、『ウイニングイレブン 2019』のマスターリーグメニュー画面

▲年間MVP選手の決定などの大きなニュースは、イベントシーン的に動画付きで挿入される

そして、見た目が洗練された以上に大きい変化が、マネージメント要素のボリュームアップ。現在のマスターリーグでは試合に出して選手の能力値をまんべんなく上げるだけでなく、ポジションに応じた練習、スキルの獲得、適正ポジションの追加など、練習で個性をつけられるのも大きな魅力。多彩な練習メニューを最初から活かせるようにという親心(?)か、マスターリーグの初期メンバーに10~20代前半の選手、さらに下部組織が充実しているのも特徴で、入った国のリーグのレベルによっては、補強なしでも十分戦える。選手を育てつつ勝つ方向でも、『ウイニングイレブン 2019』のマスターリーグは無理なく楽しめるはずだ。

▲『ウイニングイレブン 2019』のマスターリーグ初期メンバーには、比較的若くて能力値も高めな選手が複数人在籍。10~20代前半で総合値70前後の選手は、ヘタな実在選手より高いポテンシャルを秘めている

▲試合での活躍がほぼ唯一の育成手段だった初期の『ウイイレ』とは異なり、ポジションに応じた練習メニューを与えて、狙ったプレイスタイルを持つ選手に育て上げることも可能だ

▲お気に入りの選手に対しては、特別メニューをプラスしてスキルを習得させることもできる

選手の育成要素が充実した一方で、チームマネージメントの華ともいえる、移籍に関わる要素もディープに進化。初期の『ウイイレ』のようなスター選手を早期にかき集められるようなお手軽さはなくなったものの、移籍交渉時にさまざまな条件を提示できるようになったおかげで、選手の獲得にゲーム的な面白さがプラスされた。買い取りオプション付きのレンタル移籍でチームに加入させ、チームにフィットしたら正式に獲得、自チームの選手に高めの移籍解除金を設定し、売ったお金で別の選手を補強……といったような、現実のサッカーさながらの選手獲得&資金調達も行なえるので、中小クラブのオーナーの”ロールプレイ”をあえて楽しむ、なんて遊びも可能だ。

▲契約解除金の設定に出場給や得点ボーナスなど、オプションを駆使して移籍の成立&値切りにチャレンジできるのも、今回のマスターリーグの醍醐味のひとつ

▲他クラブからの移籍オファーも頻繁に届くので、選手を放出した移籍金でチームを運営、強化する中小クラブのような戦略も取れる

▲移籍マーケット最終日は、行動を起こすごとに時間が経過していくなかで選手の獲得&放出を行なう。直前までにチームの戦力を確定させておけば、あえて最終日に交渉を行なう必要はないのだが、海外サッカーファンにとってはテンションの上がるイベントだ

最強のチームを作るために試合を重ねるシンプルなシリーズ初期の魅力から、演出、育成、移籍にまつわる要素が強化され、ドラマ性が増したマスターリーグ。今回久々にじっくりプレイしてみて感じたのは、育成の楽しさ。前述のように今回のマスターリーグオリジナルメンバーは”ふつうに強い”うえに年齢のバランスがよく、「キケ・アルカスとキャッスルダインを軸に、手薄なサイドを補強。年齢層が高いCBとGKは後継者を育成して……」といった感じで数年先を見越してゲームを進行させられたのがとても良かった。また、現在のマスターリーグは監督=プレイヤー自身が他クラブへと移籍することも可能なので、育成して勝つ方向とは真逆の”ビッグクラブの戦力を最大限に活かす優勝請負人”、”限られた予算でやりくりする職人監督”といったスタンスでのプレイも可能。『ウイニングイレブン 2019』では自分の思い描いたドリームチームを作るという初期のマスターリーグとは違った、チーム運営と試合も楽しめるのだ。

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