黒選!メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1  vol. 42

Column

TGS開催中だからこそ読む「Chinajoy 2018」中国ゲームコンテンツ事情の今 3+1選

TGS開催中だからこそ読む「Chinajoy 2018」中国ゲームコンテンツ事情の今 3+1選

中国全体で「eスポーツ推し」

今回のチャイナジョイ全体に感じられたことですが、それは一言で言うと「eスポーツ推し」です。

おそらく、それは中国国内全体を挙げての「eスポーツ」による「一帯一路」政策と言えます。今後はこの新しい「eスポーツ」というムーブメントに対し、ゲームエンタテインメントとしての新しい価値観やメイクマネー・ビジネスの可能性を見込んでいることと思います。

そんななかでも、中国の覇者と言える総合的パブリッシャー(インターネット総合サービス企業)はテンセントです。

テンセントは日本ではあまり知名度は高くありませんが、アジア地域での知名度は絶対的です。私は会場の隣にあるケリーホテルでランチをしながら、テンセントの「eスポーツ」マネージメントチームのリーダー数人と面談を行いましたが、彼らが考える「eスポーツ推し」の姿勢は強いものがあります。これは8月にインドネシアのジャカルタで開催されたアジア大会での「eスポーツ」特別競技試合のゲームラインナップを見れば明らかです。

以下がアジア大会で対戦されたコンテンツとなります。

Arena of Valor(アリーナ・オブ・ヴァラー)テンセント
League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)ライアットゲームズ
Star CraftⅡ (スタークラフト2)アクティビジョン・ブリザード
Hearthstone(ハースストーン)アクティビジョン・ブリザード
Clash Royale(クラッシュ・ロワイヤル)スーパーセル
PES2018(ウイニングイレブン2018)コナミデジタルエンタテインメント

コナミのウイイレを除くと、残りすべては、テンセントが株式を保有する会社でありコンテンツです。テンセントはアクティビジョン・ブリザード、ライアットゲームズ、スーパーセルの株主であり親会社なのです。これらを踏まえるとアジア大会は開催地であるアジアへの配慮もありますが、実のところそれは中国への配慮、あるいは中国からの圧力の結果なのではないかと推測せざるを得ません。

なお、中国国内では「王者栄耀」というマルチプレイヤーオンラインバトルアリーナの対戦ゲームが盛んです。これらを含めた「eスポーツ推し」の体制はテンセントのみならず中国国内、ひいてはアジア全域での大きなテーマであり大きなビジネスチャンスだと感じました。

そして、話は変わりますが会場で気になったデバイスを紹介しましょう。

それは長年、中国で各種エミュレーターの開発メーカーとして様々な評価を受けてきた小覇王(シャオバーハン)社のブースで発見した「小覇王Z+」という家庭用マシンのことです。
※希望小売価格は4,998人民元(日本円で82,000円程度)

小覇王展示ブースの一角

「小覇王Z+」は通常のWindows 10のOSを搭載しています。そして、それとは別に自社OSを搭載しているのです。つまりひとつのハードにふたつのOSが混載している多用途マシンです。

「小覇王Z+」はいろいろなゲームマシンのいいとこ取りの感じがあります。現時点で対応するコンテンツはコーズマスターズ社製の「ON RUSH」(オンラッシュ)1作品のみです。

今後は徐々にコンテンツが増えて行くとのこと、おそらく、日本での発売の可能性は薄いと思いますが、このようなマシンが出てくること自体、中国の勢いを感じる証(あかし)ではないでしょうか。

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