秋元康とアニプレックス、ソニー・ミュージックレコーズが組んで世に送り出したデジタル声優アイドルグループ、22/7(ナナブンノニジュウニ)。エンタメステーションではデビューシングル『僕は存在していなかった』、2ndシングル『シャンプーの匂いがした』のリリースタイミングで彼女たちをフィーチャーしてきたが、8月22日(水)に発売された3rdシングル『理解者』においても、特集を展開。各メンバーをとあるテーマで3グループに分け、グループと縁の深い”7月22日”に正式にリーダーに就任した帆風千春の立ち会いのもとに行った座談会の模様を連日、紹介する。
初回は帆風と天城サリー、西條和、高辻麗の4人が登場。『理解者』の聴きどころと、リーダー帆風へのエール、そして彼女たちにとっての”理解者”たる存在についてトークをしてもらった。
取材・文 / 平田真人 撮影 / 荻原大志
メンバー間の相互理解も深まっている一方、理解の範ちゅうを超える部分があるのも面白い。
今回のグループ分けですが、3rdシングル『理解者』用のプロフィール資料に手書きされた「私のとっての理解者は──」というところで、人間以外の何かを書いた人と、先日リーダーに就任した帆風さんという括りになっております。
全員 あ〜〜〜〜っ!?
帆風 言われてみれば!
というところで、あらためまして帆風さん、リーダー就任おめでとうございます。
天城・西條・高辻 おめでとうございま〜す!
帆風 わ、わ、ありがとうございます(笑)。

リーダーに就任した帆風千春
就任から1ヶ月が経ちますが、心境のほどをお聞かせください。
帆風 あ…はい、ん〜。
高辻 リーダー、がんばって!
天城 (発音の良い英語で)LEADER!
帆風 というように、リーダーに就任してから、メンバーからもいじられることが多くなりました(笑)。そういう意味では、みんなとの距離がさらに近くなったのかなとも思います。ただ、今までやってきたことに対して自分自身がどう変わったかというと、具体的に言えるほどのものがなくて。メンバーから「今まで通りのちはるんでいいよ」と声を掛けてくれたこともあって、「じゃあ、今まで通りでいいのかなぁ」みたいな感じで過ごしているといったところですね。でも、こういった取材の場で「リーダー」と呼ばれることが多いので、もうちょっと自覚を持った方がいいのかなと思ったりもしました。
天城 私は本当に元々、オーディションの初日から、ちはるん(=帆風)のことをリーダーだと思っていたんですよ。
帆風 ホント〜(笑)?
天城 本当に! ついていくんだったら、この子だなと思って、一番最初に話しかけに行ったのも、ちはるんだったんです。みんなも、前から”リーダー(仮)”って、ちはるんのことを思っていた感じがあって。それまでは、スタッフさんとかにご挨拶する時に、誰が先頭を切って挨拶するかが決まっていなくて、みんなオドオドしていたんですけど、ちはるんがリーダーになってからは、もう安心して任せられる〜って(笑)。そういうまとまりも出てきたなって思います。

天城サリー
帆風 それまでは、「誰が挨拶する?」って、変な間が空いちゃったりしたので、そういうところでは役に立っているのかもしれないですね。
高辻 私もみんなも、リーダーと言ったら千春しかいないなって即答できるくらい、いろいろ頼りにしていて。22/7のメンバーはおとなしい子が多いんですけど、意見をどうやってまとめようかとなった時に、以前から千春が率先してまとめてくれたりして。なので、本当にリーダーに就任する前から、「この人しかいないな」と思っていました。あらためて公式にリーダーなったことで正式に頼れるので(笑)、個人的にもすごくうれしいなと感じています。ていうか、なんで今まで公式にリーダーじゃなかったんだろうと思ったくらいです。
西條 ちはるんは、他人の否定をしない人なので、話し合いとかで違う意見が出たときも、うまい具合にどちらの言い分も否定せずに、新しい意見を出してくれたりするので、すごくありがたいなと思います。ただ、私まだ「リーダー」って呼んだことがないので…。
じゃあ、今ここで初めて呼んじゃいましょう!
西條 え…(消え入りそうな声で)リーダー…。
天城・帆風・高辻 カワイイ(笑)!
帆風 確かに人の話を聞く時って、たいがい「なるほど〜」って言っているような気がします。それと女の子が11人も集まれば、それぞれの意見があって当然だと思うので、ギスギスさせずにどう平和的解決へ導けるかみたいなところは、大事にしていきたいと思います(笑)。

西條和
元々、帆風さんはリーダー気質だったんですか?
帆風 いえいえ全然、自分自身は家族や親戚の中でも一番下の末っ子で、甘やかされて育ってきたんですけど、このグループに入った時に何となく…自分で言うのも何ですけど、お姉さん的な立場になっていて。それこそ、いただいたキャラクターの佐藤麗華ちゃんに見合う人になりたいなという気持ちがあって、自分もしっかりしていかなきゃとか、自分でできることをどんどん増やしていきたいなと思いながら活動をしていくうちに、いつしかグループを引っ張る立場になってきたという感じです。なので、今のような自分になったのは22/7に入ってから
ですね。でも、天城さんいわく「オーディションの初日からリーダーだった」と…。
帆風 たぶんサリー(=天城)は日本語を誤用していると思うんですけど、「オーディションに合格した初日」だと思うんですよね(笑)。
天城 そう、それ! オーディション中は1回も話したことがなかった(笑)。合格したメンバーみんなのことを見たら、ポツンとちはるんが座っていて──。
帆風 ポツンと、ね(笑)。
天城 あ、何て言ったらいいかわからないんですけど、何か「この子は信用できる!」と思ったんです!
帆風 その時はあれだよ、私がボールペンを忘れてしまって、サリーに貸してもらって。以来、支えてもらっているんです。
高辻 千春がリーダー的存在っていう暗黙の了解があったからねぇ。
帆風 いやいやいや…。
帆風さんはラジオのお仕事(=FM FUJI『タイムマシーン3号と帆風千春の俺たちの穴』)で、トーク力を鍛えられたのも大きいのでは?
帆風 はい、毎週そばに芸人さんがいらっしゃって、そのトーク力を目の当たりにしているというのは大きいかもしれないです。
なるほど〜。そんなリーダーから見て、メンバー間の”相互理解”は深まっているように感じますか?
帆風 そうですね、どんどん深まってきているとは思いますが、それぞれ生まれも育ちも違うので個性が強すぎて、どうしても理解の範ちゅうを超える部分があるのも事実で(笑)。ただ、それは否定的な意味ではなくて、面白いなと思う部分だったりするんです。

ちなみ、このグループの3人それぞれに、「ここだけは理解できないかも!」という部分はありますか?
帆風 え〜ッ! …そうですね、サリーはそもそも生まれがロサンゼルスなので、いい意味で自由だなって思います。行動力もありますし。その行動力は真似しようと思っても、私にはできないところだなって。その発想力はどこから来るんだっていう…才能の源が理解できないという感じですね(笑)。
天城 私の発想力か〜…どこからくるんだろう!? でも、私としては自由にしている気が全然ないんですよ。ちゃんと考えて行動しているつもりなんですけど(笑)、確かに昨年まではファンの方々にも、ちはるんとともにメンバーをまとめる”お姉さん”枠にカテゴライズされていたように思うんですけど、どんどん口を開くたびに、コロコロと全然まとめられないことが発覚して…最終的には、ちはるんがまとめてくれるっていうところに落ち着きました。ちはるんと一緒にSHOWROOM配信とかすると、暴走が止まらないんですよ、私。止めてくれるだろうっていう安心感を与えてくれるので、逆にちはるんがいてくれるから、自由にできるんです。
帆風 一緒に配信してると英語とかを結構使うので、時々何を言っているのか理解できなくて、ブレーキをかけられないっていうのがありますね(笑)。
そうだったんですね。では、高辻さんの理解できないところは?
帆風 れったん(高辻)は…二次元がすごく好きじゃないですか。それもあって、いわゆる”オタク用語”をよく使っているんですけど、それってどこで覚えてくるんだろうなって。あと、物事に対する考え方とかも、人とちょっと違って達観しているところがあって、それはどうやって培われたんだろうというのが、すごく知りたいです。
高辻 まず、オタク用語から言うと…インターネットで育った”さとり世代”なので、いろいろな──役に立つ情報から歪んだ情報まで仕入れてきた中の1つに、それがあったという感じです。それこそ、「理解者」のプロフィールに手書きした「私にとっての理解者とは──」の答えをネットと二次元で迷って後者にしたんですけど、ネットは時に敵にもなり得るからなんですよ(笑)。自分にとって理解者でもありますけど、ほどよい距離を保たないといけないなっていう。
帆風さんが言うように、高辻さんは確かに達観していますね。
帆風 そうなんですよ。あと、なぜか土星が嫌いだっていうのも理解できなくて(笑)。
高辻 あ〜、土星苦手ですね。というか申し訳ないんだけど、大っキライなんです(笑)。(スーッとひと呼吸置いてから)いつからでしょう…これまたネットを見ていた時なんですけど、宇宙について興味をもって調べていて、画像検索をしてみたんですよ。そしたら、まっ黒い空間の中に、球体がふわ〜っと浮いている画に、底知れない恐怖を感じまして。特に最初に怖いなと思ったのがブラックホールなんですけど、実際には写真に撮れていないから「あ、これはニセモノなんだな」と思って、ホンモノの写真を見ていこうと土星を見てみたら、構造が意味不明すぎて!

高辻麗
ほう、構造が…?
高辻 地球はまだわかるんですよ、地面と海があって。土星は…何なんですか、あれ!?
あの輪っかが気味悪いと?
高辻 輪っかもそうなんですけど、地球との大きさ比較の画像があるじゃないですか。何て地球に住む私たちはちっぽけな存在なんだろうと思って、それ以来、恐怖と嫌悪感が…。でも、調べたり見たりしちゃうんです(笑)。
土星の”理解者”にもなってあげてください…。星の話の後だけに、軌道修正しましょう。帆風さん、西條さんの理解できないところは?
帆風 なごみん(=西條)は謎が多いんですけど…ブログを見ていてもオリジナルの擬音みたいなのを生み出しているんですけど、あれはどこから出てくるのかなって。あと、写真も自分なりのテーマで名前を付けたりしているんですけど、何を基準にして決めてるのかがわからないんですよね。
西條 何か…私、あんまり言葉を知らないので、それを表現するためには自分で言葉をつくるしかなくて…自分でつくってるんです。
その西條さんの信条を理解するところから始まるわけですね。
帆風 なるほど〜。気持ちを汲み取るようにする。ちなみに今は何を考えてるの?
西條 (身体をすくめながら)え…ちょっと、みんなから見られてるなって(笑)。
帆風 注目されて困惑してるよね(笑)。