Report

岩井俊二監督最新作「リップヴァンウィンクルの花嫁」完成披露試写会レポート

岩井俊二監督最新作「リップヴァンウィンクルの花嫁」完成披露試写会レポート

岩井俊二監督最新作「リップヴァンウィンクルの花嫁」の完成披露試写会が3月16日、東京・新宿のバルト9で開催され、岩井俊二監督と主役の皆川七海を演じた黒木華が登壇した。

岩井監督は、黒木華との出会いの印象を「率直にこの子は撮りたい子だなと思いました。そのモチベーションだけでここまできました。映画のシーンが頭の中で巡り、いろいろな表情や佇まい、雰囲気を持っていながら何にも染まらない真っ白さがある」と言い、「出会った時すでに、野田秀樹さん、蜷川幸雄さん、山田洋二監督に見い出され、見い出され続けていますが、女優として一番大事なものを持っている」と絶賛。

一方の黒木華は、高校時代に「リリィ・シュシュのすべて」を観て影響を受けたと言い、「多感な時期に観て、いろんなことを感じた映画。今でも苦しいことがあると思い出して観たりします。自分が岩井監督の映画に出られるなんて思いもしなかったので、すごく幸せな時間でした」と岩井作品に出演できた喜びを語った。

「母と暮らせば」そして前年の「小さいおうち」で2年連続日本アカデミー賞助演女優賞を受賞し、女優としての輝きを一層増す黒木華だが、3月14日が誕生日だったということもあり、岩井監督より、漫画「東京喰種」の作者・石田スイによる直筆イラストがプレゼントされた。黒木本人をモデルとしたイラストに「すごくうれしいです。ちょっとずつ頑張ろうと思います」と満面の笑顔を見せた。

一昨年の11月から時間をかけて少しずつ撮り重ねてきたという本作は、派遣教員として普通に生きてきた女性が、SNSで知り合った男性と結婚することになるが、夫の浮気が発覚、逆に浮気の罪を被せられて家を追い出され、そこに奇妙なアルバイトを斡旋する「なんでも屋」の安室と出会うことで展開していく物語。震災以降の、今という時代の生きにくさや闇、そして希望が、美しい映像と共に、リアルに映し出されている。岩井監督は「震災後、いろんなことがあった中で、今までの日本と違う雰囲気やムードがある。今まで信じていた社会が崩れ始めた中で、転びそうになりながら走る主人公が、一体誰と出会ったら本当に幸せなのか、本当の幸せとは何なんだろうという、僕の中での探求でもあったし、そういったことを映画にしたのかなと思います」と語った。

最後に、大勢集まった観客に向けて、岩井監督は「僕自身、魂込めて魂と向き合いながら数年かけて作った映画です。今日を皮切りに繰り返し触れてもらえるといいと思っています」。

黒木華は「自分にとって愛しい作品なので、皆さんにとっても愛しい作品になればいいという思いが詰まった映画です。いろんな感情になって観てください」と挨拶を締めくくった。

舞台挨拶の最後には、全員の観客が、予告編にも登場し映画の重要なファクターともなっている「ねこかんむり」を被り、岩井監督、黒木華がその中に入って記念撮影。映画を送り出す二人と、待ち焦がれていた完成披露を前に期待に胸高鳴る観客との一体感が美しかった。

hanayome_2

出演者は他に、綾野剛、Cocco。3月26日(土)より全国公開。

 

映画紹介

2016年3月26日(土)公開
リップヴァンウィンクルの花嫁

hanayome_0

舞台は東京。派遣教員の皆川七海(黒木)はSNSで知り合った鉄也と結婚するが、結婚式の代理出席をなんでも屋の安室(綾野)に依頼する。新婚早々、鉄也の浮気が発覚すると、義母・カヤ子から逆に浮気の罪をかぶせられ、家を追い出される。苦境に立たされた七海に安室は奇妙なバイトを次々斡旋する。最初はあの代理出席のバイト。
次は月100万円も稼げる住み込みのメイドだった。
破天荒で自由なメイド仲間の里中真白(Cocco)に七海は好感を持つ。真白は体調が優れず、日に日に痩せていくが、仕事への情熱と浪費癖は衰えない。ある日、真白はウェディングドレスを買いたいと言い出す。

監督・脚本:岩井俊二
出演:黒木 華 綾野 剛 Cocco 原日出子 地曵 豪 毬谷友子 和田聰宏 佐生有語 夏目ナナ 金田明夫 りりィ
原作:岩井俊二『リップヴァンウィンクルの花嫁』(文藝春秋刊)
電子書籍はこちら(ReaderStore)
制作プロダクション:ロックウェルアイズ
公式サイト:http://rvw-bride.com/