黒選!メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1  vol. 34

Column

『メガドライブミニ(仮称)』で出たらうれしいソフト 3+1選

『メガドライブミニ(仮称)』で出たらうれしいソフト 3+1選

メガCDによって引き出された性能をフル活用『夢見館の物語』

『メガドライブ』設計スケール図版 提供 / 桑野範久

1991年12月12日にメガドライブ用周辺機器として発売された「メガCD」。
それまでCD-ROMを使ったゲーム機といえばPCエンジンの独壇場でした。540MBの大容量とCD音源による高音質が最大のメリットでした。しかし、CDアクセススピードの遅さ、データを収めるバッファRAM容量の少なさ、頻繁にアクセスすることで中断するゲーム進行など、いくつかの問題も抱えていました。

そこでセガが出した答えは、大容量6MバッファRAM、高速アクセス0.8秒、高速CPU:68000(12.5Mhz)、拡大縮小・回転機能、PCMステレオ8chなど、メガドライブを「天下無敵のスペック」に高性能化する追加ハードウェア「メガCD」でした。ブースターのようなもの、と思ってもらえば良いでしょう。
メガドライブ本体のCPU:68000(7.67Mhz)とサブCPU:Z80A。さらに、上記の追加CPU:68000(12.5Mhz)という史上初のトリプルCPUで、メガドライブの処理速度・能力は家庭用ゲーム機として当時最高峰のものとなりました。

この高い処理能力を生かしたソフトが、1993年12月10日に発売された『夢見館の物語(※)』です。

(※ソフト開発はシステムサコム)

満月の夜に光る蝶を見つけた兄妹は、森の中ではぐれてしまい、妹を追いかけて行くうちに、兄は不思議な洋館に辿り着きます。オープニングから全編CGレタリングされた映像を中断することなくシームレスにタイトル画面(洋館の前)までプレイヤーを導き、スタートボタンを押すとタイトル画面が薄っすらと消え、そのまま洋館の中へ進みます。
洋館の中に入ると、エントランスに響き渡る振り子時計の音。兄(プレイヤー)は妹の声を追いかけて行くうちに、謎に包まれた洋館の素顔を知る事となります。

洋館の中もすべてCGレタリングされた映像で大画面なのは、大容量バッファRAMの成せる技でしょう。プレイ中は高速アクセスによって、CDアクセスが気にならずに探索を続けることが出来ます。人の声や足音も鮮明でクリアなのはPCM8chステレオの効果で、夢見館の空気感を見事に再現しています。

導入当時は「インターラクティブシネマ」とか「バーチャルシネマ」などと呼称されていた作品ですが、今の技術から見れば当たり前の表現でも、この当時としては画期的でした。この作品によって、後のゲーム作品に与えた影響は多分にあると思います。

『メガドライブ』のあとの次世代機、『セガサターン』や『プレイステーション』で本格化するCG時代の、いわば先駆けと言える作品です。『メガドライブミニ(仮称)』に入れて欲しいソフトの一つです。


いかがでしょうか?
メガドライブを良く知っているユーザーには、懐かしいソフトばかりではないでしょうか。

提供 / Appliv Games

『メガドライブミニ(仮称)』の発売日は未定ですが…日本での『メガドライブ』の発売日が1988年10月29日だったので、2018年10月29日に発売されるのではないかと予想します。今後の続報を待ちましょう。

それではよい週末をお過ごしください。See You.

文 / 黒川文雄
アイキャッチ画像:©SEGA


著者プロフィール:黒川文雄(くろかわ・ふみお)

1960年、東京都生まれ。
音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDEにてゲームソフトビジネス、デックスエンタテインメント、NHN Japan(現LINE・NHN PlayArt)にてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。アドバイザー・顧問。黒川メディアコンテンツ研究所・所長。株式会社ジェミニエンタテインメント代表。
黒川塾主宰。ゲームコンテンツ、映像コンテンツなどプロデュース作多数。
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