黒選!メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1  vol. 34

Column

『メガドライブミニ(仮称)』で出たらうれしいソフト 3+1選

『メガドライブミニ(仮称)』で出たらうれしいソフト 3+1選

幻となったパズルゲーム、メガドライブ版『テトリス』

1989年に起こった「テトリス事件」。
1988年にセガがアーケード向けタイトルとしてリリースした『テトリス』は、導入当初は地味なパズルゲームとして登場しましたが、徐々に、奥深いゲーム性にハマるユーザーが続出します。
そんな中で完全移植の『メガドライブ』版が1989年4月15日に発売される・・・予定でしたが、発売直前になって「発売中止」というアナウンスが各小売店や問屋を通じて予約をしていたユーザーにアナウンスされました。そして後にセガは、正式なライセンス契約を結んでいなかったために発売中止を決断し、製造したソフト全てを破棄したことを発表しました。

この事件の発端は、セガが「テンゲン」(※)からライセンスを受けていたことでした。

(※Tengen Inc.・・・アメリカのコンシューマゲームメーカー。現在は消滅)

「テンゲン」は、親会社の「アタリ」からライセンスを受け、「アタリ」はイギリスの「ミラーソフト」からライセンスを受け、さらに「ミラーソフト」はハンガリーの「アンドロメダソフト」からライセンスを受けていました。そしてなんと、アンドロメダソフトはソ連外国貿易協会(ELORG)から「IBMパソコン互換機用のみの権利」としてライセンスを許諾されていた、という事実が発覚したのです。
この複雑なライセンス構造の問題に気付いた任天堂は、ソビエト連邦外国貿易協会(ELORG)から正式に家庭用ゲーム機向けの許諾を受け、ゲームボーイ版『テトリス』を無事発売します。そしてゲームボーイが世界的に携帯ゲーム機として爆発的大ヒットを記録するのです。

このあたりの経緯は『テトリス・エフェクト―世界を惑わせたゲーム  ダン・アッカーマン』に詳しく記されています。

この「テトリス事件」後、『メガドライブ』ユーザーの間では「セガはまだ倉庫にテトリスを持っている!」という謎の噂話が広まりましたが、実際に発売される事はありませんでした。

現在、『ぷよぷよテトリス』をセガゲームスが販売していることもあり、ライセンスの取得状況次第では、今度こそメガドライブ版『テトリス』が発売される!?なんてこともあるかもしれません。もし、幻のメガドライブ版『テトリス』が入れば、間違いなくレアソフトとして注目されることでしょう。セガゲームスの奮闘に期待しましょう。

テトリス・エフェクト―世界を惑わせたゲーム  ダン・アッカーマン

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