Interview

田中哲司&大東駿介が生み出すブラックユーモアを気軽に楽しめる舞台──マクドナー最新作『ハングマン』ついに日本初演

田中哲司&大東駿介が生み出すブラックユーモアを気軽に楽しめる舞台──マクドナー最新作『ハングマン』ついに日本初演

とても楽しんでいるときは、まさに“ハングマン”みたいな顔

俳優としての長塚圭史さんはいかがでしょう。

田中 役者と演出をこなされるから、どこか安心感があるんです。もちろん、2役をこなすのは大変だと思います。でも、圭史くんは楽しそうに板の上に立っているからホッとしますね。

大東 哲司さんが飲み屋で圭史さんにおっしゃっていたことが面白くて。圭史さんが演出するときは、代役の方が稽古場に立つんですけど。飲みの席で「俺、明日から立つよ」と圭史さんがおっしゃられると、哲司さんが「代役とは全然違う驚くような演技を見せてくれるんだろうね?」とどんどん追い詰めていくんです(笑)。

田中 そういうことが楽しいんじゃない(笑)。

大東 僕は圭史さんとは、NHKの連続テレビ小説『ウェルかめ』(2009年)で役者として先に出会っているんです。だから、演出をつけられながら、その方と芝居をするのは初めての経験なので、不思議な感覚ですね。ただ、圭史さんの場合は、役職を意識しない方ですね。ものづくりに正直な現場を目指されていて、演出家、俳優、スタッフもそうですが、それぞれに目的をはっきり持たせてくれる。

田中 面白いのは、圭史くんが芝居を観ていて、とても楽しんでいるときは、まさに“ハングマン”みたいな顔だよね(笑)。みんな怒っているなって勘違いしますけど。

大東 わかります! 稽古最終日に、演出家席で鬼みたいな顔をしているなって(笑)。

田中 僕は何度も共演しているから、信じられない怖い顔をしても、楽しんでいるな、集中してのめり込んでいるなとわかるんです。

小道具を扱うのが苦手な演技が似たもの同士

(笑)。葛河思潮社の作品でもよくご一緒される田中さんと長塚さんの関係は面白いですね。では、お互いの印象を聞かせてください。

田中 大東くんは、映像や舞台で絡んだことがあるけれど、安心感があります。小道具を扱うのが苦手な演技が僕と似ているから。

大東 (笑)。

田中 最初に脚本を読んだときに、ムーニーは、「役者として危ない役だな」と思ったんです。つかみどころがない役は、演じ方によって良いようにも悪いようにもなってしまうから難しい。「ムーニーは誰がやるんだろう」と思っていたら、大東くんがキャスティングされると聞いて、安心しました。それから、日に日にムーニーになってます。

大東 ありがとうございます(笑)。

田中 2人で共演した劇団☆新感線『港町純情オセロ』(2011年)のときは、僕はパニクっていましたよ。

大東 僕だってパニクってましたよ(笑)。

田中 お互い「やばいぞ」と思って早8年近く。そこから大東くんの役者としての成長ぶりに驚いています。セリフが入るのも早いし!

田中哲司は“ひとりで舞台の世界を表現できる”

大東 僕は、哲司さんとお芝居をするのが楽しいです。新感線主宰のいのうえひでのりさんも、哲司さんのことが大好きだと思います。いのうえさんは、立ち位置からセリフ回し、いろんな箇所を決め込んでつくっていくタイプの方ですが、哲司さんはわりとフリーでしたよね? だから、いのうえさんは、哲司さんを信頼して楽しんでいるなと思って見ていました。この世界に入ったときは無知だったけれど、30歳を超えてもう一度、哲司さんと芝居ができるようになったときに、哲司さんに何を見せられるかと考えて今に至ります。哲司さんの演技は、先ほどの話ではないですが、ハリーがどんどん虚勢を張って大きくなればなるほど、その姿から小さな町の全体像が見えてくるから面白いんです。ハリーの態度のでかさに、パブの外の世界がどんどん小さくなっていく。その過程を見ているのが面白かった。存在ひとつで舞台の世界を表現できるのは、すごいことです。翻訳をカンパニーみんなで考えることから始まって、その世界の土台を見せてくれる。

全国公演があります。田中さんは座長としてどのように引っ張っていこうと思いますか。

田中 座長という意識はないですね。やはりみんなで一緒につくり上げていきたいです。

大東 哲司さんがそういうタイプなので、圭史さんとの組み合わせは、いい意味で緊張しなくていいから安心します。当然、緊張感はあるんです。でも、緊張するのと緊張“感”を持つのは違いますから。年下でも意見が言えるし、チャレンジできる空気を、圭史さんと哲司さんがつくってくれる。緊張でチャレンジできないということは、稽古ではダメなのかもしれません。本来は、失敗してでも、なんでもやるべき場所が稽古のはずなので。例えば、先輩の役者さんに「恥をかきなさい」とおっしゃっていただいたとしても、緊張でチャレンジができなかったら、また緊張して演技が小さくなってしまう。その悪循環がないのは嬉しい現場ですね。当たり前のようにみんな自分の芝居が自由にできる。

田中 それでも、気をつけることはあって。今作で僕は、物語の主軸を追っているので、「僕が失敗したらダメだぞ」という意識はあります。物語を背負った責任感はいつも持ってます。

役者として心がけていることはありますか。

田中 今まで現場で痛い目にいっぱいあってきているから、セリフを早めに入れる。映像だけでなくて舞台でも、うろ覚えでは現場に行かないようにしてます。例えば、映像で「長回しでカメラを回します」と突然言われて、「そんなセリフの覚え方してないぞ」と慌てるでしょ?

大東 (笑)ありますね。

田中 どんな状況でも対応できるようにしていく。舞台は、稽古初日にほぼセリフを入れておく。そうすれば楽しい稽古ができます。でも、これは理想でそうは思っていてもなかなかそうはいかないです。

大東 納得です。僕は想像することと好奇心を持つことですね。脚本を覚えることは、勉強と考えるとなかなか覚えられない。何事も決まりごとにしてしまうと失敗するタイプなので、「なんか面白いんちゃうか。この先にオモロいことがきっと待ってる」という精神状態でいることを大切にしています。

パブに寄るような気軽な感覚で観劇を

それでは、最後に見どころをお願いします。

大東 『ハングマン』は処刑をテーマにした舞台ではあります。とはいえ、この間、海外でお芝居をしたのですが、お客様が幕間でお酒を飲んでいたり、あるいはお酒を飲まれてから観劇にいらっしゃる。観劇の仕方に制限がないのが楽しくて、いいなと思いました。今回はパブのお話なので、お酒をちょっと飲んでからでも、終わってから飲んでもいいです。気軽な感覚でいらっしゃっていただけたら、嬉しいですね。

田中 素敵なスタッフとキャスト、そして何よりマクドナーの脚本が面白いので、日本版の『ハングマン』、ぜひご覧ください。

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【募集終了】抽選で2名様に田中哲司さん&大東駿介さんの直筆サイン入りチェキをプレゼント!

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応募期間

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5月15日(火)~5月22日(火)23:59

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PARCOプロデュース2018『ハングマン -HANGMEN-』

埼玉公演:2018年5月12日(土)~5月13日(日)彩の国さいたま芸術劇場
東京公演:2018年5月16日(水)~5月27日(日)世田谷パブリックシアター
愛知公演:2018年6月9日(土)~6月10日(日)穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
京都公演:2018年6月15日(金)~6月17日(日)ロームシアター京都 サウスホール
福岡公演:2018年6月21日(木)~6月22日(金)北九州芸術劇場 中劇場

STORY
1963年。イングランドの刑務所。“ハングマン=絞首刑執行人”のハリー(田中哲司)は、連続婦女殺人犯ヘネシー(村上 航)の刑を執行しようとしていた。しかし、ヘネシーは冤罪を訴え、ベッドにしがみつき「せめてピアポイント(三上市朗)を呼べ!」と叫ぶ。ピアポイントに次いで“二番目に有名”なハングマンであることを刺激されハリーは乱暴に刑を執行してしまう。
2年後。イングランド北西部の町・オールダムにある小さなパブ。死刑制度が廃止になった日、ハリーと妻アリス(秋山菜津子)が切り盛りする店では、常連客(羽場裕一・大森博史・市川しんぺー・谷川昭一朗)がいつもと変わらずビールを飲んでいた。新聞記者のクレッグ(長塚圭史)は最後のハングマンであるハリーからコメントを引き出そうと躍起になっている。そこに、見慣れない若いロンドン訛りの男、ムーニー(大東駿介)が入ってくる。翌朝、再び店に現れたムーニーは、ハリーの娘シャーリー(富田望生)に近づいて一緒に出かける約束をとりつける。
その後姿を消すムーニーと、夜になっても帰ってこないシャーリー。そんななか、ハリーのかつての助手シド(宮崎吐夢)が店を訪れ、「ロンドン訛りの怪しい男が『ヘネシー事件』の真犯人であることを匂わせて、オールダムに向かった」と告げる。娘とムーニーが 接触していたことを知ったハリーは……!

作:マーティン・マクドナー
翻訳:小川絵梨子
演出:長塚圭史

出演:
ハリー 役:田中哲司
アリス 役:秋山菜津子
ムーニー 役:大東駿介
シド 役:宮崎吐夢
アーサー 役:大森博史
クレッグ 役:長塚圭史
チャーリー 役:市川しんぺー
ビル 役:谷川昭一朗
ヘネシー 役:村上 航
シャーリー 役:富田望生
ピアポイント 役:三上市朗
フライ警部 役:羽場裕一

オフィシャルサイト
公式Twitter(@parcostage)

田中哲司(たなか・てつし)

1966年2月18日生まれ、三重県出身。近年の主な出演に【舞台】長塚圭史演出の『浮標(ぶい)』(11・12・16)『背信』(14)『SISTERS』(08)『ビューティ・クイーン・オブ・リナーン』(07)をはじめ、『ザ・空気』(17/永井愛演出)、『同じ夢』(16/赤堀雅秋演出)、『オレアナ』(15/栗山民也演出)、『RED』(15/小川絵梨子演出/第50回紀伊國屋演劇賞個人賞受賞)など【テレビ】『沈黙法廷』(WOWOW)、『新宿セブン』(TX)、『CRISIS 公安起動捜査隊特捜班』(KTV)、『緊急取調室』(EX)など【映画】『夜空はいつでも最高機密の青色だ』、『ビリギャル』などがある。出演待機作に映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(10月12日公開予定)、『生きてるだけで、愛。』(18年秋公開予定)が控えている。
Profile

大東駿介(だいとう・しゅんすけ)

1986年3月13日生まれ、大阪府出身。2005年、『野ブタ。をプロデュース』(NTV)で俳優デビュー。主な出演作品に【舞台】『港町純情オセロ』、『もっと泣いてよフラッパー』、『プルートゥ PLUTO』【テレビ】『ウェルかめ』、『新・ミナミの帝王』、『花燃ゆ』、『フリンジマン』【映画】『クローズZERO』、『TOKYO TRIBE』、『望郷』、『曇天に笑う』などがある。出演待機作に、主演映画『YOU達HAPPY映画版ひまわり』(今夏公開)が控えている。
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