Interview

鈴木このみ、田村ゆかりのふたりの歌姫による幻奏叙事詩(ファンタジーオペラ)を描く、アニメ初監督・森田と純平に聞く『LOST SONG』の壮大な世界

鈴木このみ、田村ゆかりのふたりの歌姫による幻奏叙事詩(ファンタジーオペラ)を描く、アニメ初監督・森田と純平に聞く『LOST SONG』の壮大な世界

新人声優・鈴木このみと実力派声優・田村ゆかりの印象とキャラクター誕生秘話

本作の大切なテーマである“歌”を担当したのは、アーティストとして活躍中の鈴木このみと声優として絶大な人気を誇る田村ゆかりのふたりだ。実写出身のため、あまり声優には詳しくないという監督だが、真っ直ぐな女の子であるリンを演じた声優初挑戦の鈴木このみ、過酷な運命に翻弄されるフィーニスを演じた実力派の田村ゆかりは、まさにピッタリな配役だったと言う。そんなふたりに対する印象や、ふたりが演じるキャラクターの誕生秘話について聞いた。

森田と純平「元々ふたつの歌というのを軸に考えて、こんな子が歌っていればと思って自然発生的に生まれてきたのがリンとフィーニスというキャラクターです。

リンはピュアで真っ直ぐな子で、最近のアニメーションを見て思っていたのが、純粋に元気で真っ直ぐな主人公が段々と少なくなってきているような気がしていたんです。

僕としては正直な子が最強と思っていて、例えば子供のころにボール遊びをしていてガラスを割ってしまったとすると、言い訳をいっぱい考えて謝りに行くと先生もわかっていて、言い訳を言うよりも素直に謝った方が許してもらえるんですよね。それもあって、素直な子が最強かなと。

リンはそういう子をイメージしていて、真っ直ぐで変に穿った考えもしない、そんな子が自分の故郷で悲劇に遭い、そして戦争に巻き込まれ、旅に出て色んな仲間に出会い、生きる目標を見付けていくみたいなことを描こうと思いました」

森田と純平「フィーニスはこのあと凄い展開に巻き込まれていくのですが、その展開になった時にこんなキャラクターだったら面白いだろうなと、展開から逆算的に考えたキャラクターです。

今回、リンは鈴木このみさん、フィーニスは田村ゆかりさんに演じてもらうことになったのですが、声優さんが決まったのはプロットを結構先まで書いたあとだったんで、当て書きで書いた訳でもないのにそれぞれのキャラクターにピッタリ合っていて面白かったですね。

リン役の鈴木このみさんは声優経験が少なく、主演声優は初挑戦ということもあって、演技レッスンを行いました。僕自身、実写畑出身で、舞台の演出などもやっていたので自分でお芝居を教えることもできたのでリンを演じる上でどうやっていこうかという話をしました。

でも最初はシンガーという違う畑の方なので、表現の仕方が違う部分があったんです。そこはかなりふたりで悩みましたね。表現するという意味では同じなのですが、芝居となると何かが違う。それで途中で僕が間違いに気付いたんです。僕は演技のテクニックを教えようとしていたんですが、そうではなく、気持ちの話をした方がいいなと気付いたんですよ」

森田と純平「気持ちをどう解放するか。そうしたら彼女もなるほどと気付いてくれたようで、リンがこんな状況になったらこういう感情になるよねといった話をしていったら、そこからはどんどん飲み込んでいって、あっという間にリンになりましたね。例えば感情がこもって泣いちゃうシーンなんかも声優さんのアプローチとは違うんですが、でも僕はそれがリンだなと思っていて、録り直しはせずにそのまま使わせてもらいました。

フィーニス役の田村ゆかりさんは表現力の固まりですね。実は恥ずかしながら僕は声優さんにあまり詳しくなくて、田村さんのお話も聞いてはいたのですが、実際に目の当たりにしたことがなかったので、どのくらいの表現をされる人なのか知らなかったのですがもうジャンピング土下座するくらい表現力が凄かったです(苦笑)。圧倒的ですよね。

僕の中のフィーニス像の話をしたら「じゃあこんな感じですか」と返してくれ、それが思った通りのもので、やりとりしていて凄く気持ちがいいんですよ。今回の作品では歌というのはキャラクターソングのように独立したものとは考えていなくて、セリフというかト書きというか、脚本の一部と考えて入れ込んでいます。つまり歌もお芝居なんですが、そう考えると田村さんのフィーニスの歌が凄く心に響くんですよね」

大映ドラマ的な今後の過酷な展開に要注目!

最後に、ふたりの歌姫が今後どのような活躍をするのか、物語の見所について聞いてみた。どうやら序盤ではまだそれぞれ別々の道を歩んでいる登場人物たちが徐々に交わることで、星の運命をも左右する壮大な物語が動き出していくようだ。

森田と純平「このあとの見所ですが、まずフィーニスが、鈴木裕斗君演じるルード王子に、もうボロボロに虐められます(笑)。

ルード王子に関しては、今回情け容赦なく嫌なヤツとして描いています。悪役にも色々な事情があってそうなったから仕方ないねというパターンもありますが、ルード王子に関してはそういったのは一切排除して純粋な悪として書こうと。彼はフィーニスを歌の兵器として見ているんです。それでフィーニスを悪用しようとするんですが、フィーニスは優しい子なのでそれに心を痛めるという。

ポニー役のたかはし智秋さんに「昔の大映ドラマ※1のようだね」と言われたのですが、自分でもあとでまさにそれだと気付きました(笑)」

森田と純平「田村さんも言っていたんですが、「凄く嫌な展開なんだけど、見ている人はきっと面白いはず」と。そこに、山下誠一郎君演じるレオボルトという、性格もよくイケメンな男が絡んでくる訳です。

彼がフィーニスと段々と気持ちを通じていくのですが、そんなレオボルトがルード王子は一番嫌いなんですよ。3話では嫌がらせでレオボルトは戦争の前線へと飛ばされてしまうのですが、そんな歪んだ三角関係の部分にも注目してほしいですね」

森田と純平「かたやリンは、ポニー、アリュー、モニカといった仲間達と出逢い旅を続けます。リンはお姉さんのメルとの約束でもある夢を追いかけるため、自分の歌で人々を元気づけながら王都に向かって行きます。ただこの世界では戦争が起きていますから、やはりリンも大変なことに巻き込まれていきます。

不思議な歌の力を使えるのはフィーニスだけではなく、リンも使えます。そのことにバズラ将軍が気付き、リンを付け狙うという展開になっていきます。そこにもレオボルトが絡んでくるのですが、先ほどのフィーニス、ルード王子、レオボルトの関係にリン一行がはたしてどう絡んでいくのか?

ちなみにコルテというフィーニスの侍女がいるのですが、この子も重要なキャラクターです。そんな様々なキャラクターたちがこの先どう絡んでいくのか? そこが見所になると思います。今後の放送もぜひ、お見逃しなく!」

※1 大映ドラマ
大映テレビ株式会社制作のドラマを指す。山口百恵が主演を務めた『赤いシリーズ』や堀ちえみ主演の『スチュワーデス物語』等は、過酷な試練や運命に立ち向かう男女の姿を描いた物語で、当時絶大な人気を誇った。

オリジナルTVアニメーション『LOST SONG』

4月よりTOKYO MX1・サンテレビ・テレビ愛知・KBS京都・BSフジにて好評放送中、Netflixにて毎週土曜先行配信中

【キャスト】
リン:鈴木このみ
フィーニス:田村ゆかり
アル:久野美咲
ポニー・グッドライト:たかはし智秋
ヘンリー・レオボルト:山下誠一郎
アリュー・ルックス:瀬戸麻沙美
モニカ・ルックス:芹澤 優
コルテ/メル:茅野愛衣
バズラ・ベアモルス:小山剛志
ルード・ベルンシュタイン4世:鈴木裕斗
ドクター・ヴァイゼン:小形 満
タルジア・ホークレイ:糸博

【OP情報】
オープニング主題歌 『歌えばそこに君がいるから』
作詞:鈴木このみ・畑 亜貴
作曲・編曲:白戸佑輔(Dream Monster)
歌:鈴木このみ

【エンディング主題歌】
タイトル:「TEARS ECHO」
作詞:畑 亜貴 作曲・編曲:白戸佑輔
歌:フィーニス(cv.田村ゆかり)

【スタッフ】
原作・監督・脚本:森田と純平(MAGES.)
キャラクター原案:福田知則(MAGES.)
アニメーションファシリテーター:櫻井親良
メインキャラクターデザイン:金子志津枝
サブキャラクターデザイン:原 修一・藤澤俊幸
デザインワークス:バーンストーム・デザインラボ
美術監督:大久保錦一
背景美術:でほぎゃらりー
色彩設計:大西峰代
撮影監督:山本弥芳
作詞:畑 亜貴
音楽:白戸佑輔(Dream Monster)
音楽制作:MAGES.
制作:LIDENFILMS×ドワンゴ(共同制作)

『LOST SONG』オフィシャルサイト
『LOST SONG』公式ツイッター

©MAGES./LOST SONG製作委員会

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