Interview

坂口健太郎「今の僕ができること」。初主演ドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』への意気込みと今後の展開を語る

坂口健太郎「今の僕ができること」。初主演ドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』への意気込みと今後の展開を語る

僕自身初めて経験した「撮影現場の熱量」を体感できた瞬間だった。

本作はヒューマンサスペンスドラマですが、SF要素も多い印象です。演じるうえで難しかったのはどんなところですか?

SF的な要素は無線機という1つのアイテムがあるので意外と簡単に解決するような感じもしますし、サスペンスの部分も追っている未解決事件の謎が解ければ形としては解決すると思うんです。なので、やっぱり一番難しいのはヒューマンの部分だと思います。僕が演じる健人は現在の刑事で大山は過去の刑事、お互いがリアルタイムに存在していない刑事と一緒に事件を解決していく。物語の冒頭ではまだ同じ時間を生きている刑事には見えないと思うんですけど、徐々に物語が進んでいくとそれが当たり前のものとして見えてきて、同じ時代に同じ事件を解決する2人に見える。2人が本当にバディを組んで事件を解決しているように見せられたら、きっとサスペンス的な事件を解決する姿の中に2人のヒューマン的な要素も感じてもらえるんじゃないかなと。美咲も含めた3人が1つの事件の解決に向かって、まるで同じ時間軸で動いているように見せられたらと思っています。

視聴者に最も注目して見てもらいたいのはどんな部分ですか?

やっぱり一番見せたいのは健人・大山・美咲の3人の繋がりや関係性です。僕自身も健人の内面の部分を少しずつ出していけたらいいなとは思いますけど、3人の事件に対する思いやお互いに対する思いもドラマを通じて見えてくるので、そこに注目してもらえたらおもしろいと思います。

クランクイン直後に「撮影現場の熱量が凄い」とコメントされていましたが、熱量を感じたエピソードがあれば教えてください

山場のシーンで深夜2~3時までの撮影が何日間か続いたり大変なときもあるんですけど、無理に士気を上げようとしていないのにどんどん現場が熱くなってくる感覚があって演技をしていて心地いいです。掴み合いになるようなハードなシーンを撮影していたとき、外は涼しいのに撮影している部屋に入るとすごく暑くて、甲本さんに「めちゃくちゃ中は暑いですね」って話をしたら、「こういうシーンを撮っているときに現場が暑くならないこともあるからすごくいいことだよね」っておっしゃってて。大げさな話かもしれないですけど、周囲にいるスタッフの皆さんもそのシーンを見ているだけで気持ちが滾るような部分があるから部屋の中も暑くなってるんだって。僕自身初めて経験したことでしたし、すごくいいシーンが撮れたんじゃないかと思います。

劇中でバディを組む大山役を演じる北村一輝さんとは映画『今夜、ロマンス劇場で』でも共演されています。役柄がまったく違いますがギャップは感じませんでしたか?

たしかに、ぜんぜん大山とは違いますね(笑)。前作で北村さんは俊藤龍之介という大スターの役をコミカルに演じられていましたから。そのときも俊藤龍之介を演じる北村さんとリアルな北村さんの間にギャップを感じていたので、今回の大山との役のギャップはすごいですけどご本人に対する印象は変わらないです。歳が離れているっていうのもあるんですけど、北村さん本人は“気のいいお兄ちゃん”という感じ。なので、大山役は「第三の北村さんが出てきた」って感覚ですね(笑)。

原作ドラマの主人公を見て本作に活かそうと思った部分、変化をつけようと思った部分を教えてください。

原作の主人公は内面が子供っぽくて未成熟な部分があるからそこは活かそうって監督とも話をしていました。原作ドラマでは1~2話の事件から3話に移る間に2年くらいしか経過してないんですけど、日本の場合は時効期間の関係上で8年も間隔を空けなきゃいけなかったんです。その時間の差を逆手に取って、物語前半の健人の発言が軽いものに見えてもいいと思うし、叫んでる姿もまだいろんな経験が無い状態に見えていいかもねって話していたんですけど……。表現するのがとても難しいので、そこは監督と相談しながらやっています。

“こんな役者になりたい”って目的地を決めないようにしている。道草をしている方が合ってる。

さまざまな作品を経験されてきましたが、俳優としての成長を実感している部分はあります?

僕はどちらかというと、自分のことをすごく“不安定”だと思っています。自分が演じた役を見ていて、落ち着いて見ていられる役とドキドキしながら見ちゃう役があって(笑)。作品と演じるキャラクターによって、いつも違うんです。慣れるというか現場の感覚を掴むという意味では力がついているのかもしれないんですけど、演じる役によっていつもブレてる感じは自分でもすごく感じます。ちょっと頼りなかったり繊細な男の子だったりとか、どこか不安定な気持ちを持っている役を演じることが多いっていうのもあるかもしれません。堂々としていてカッコいい役を演じることはあまり無かったりするので、そういう意味では正解なのかもしれないんですけど。

ご自身の“強み”はどんなところだと思いますか? 

モデルをやっていたときに、女性誌の撮影にたくさん呼んでもらえた時期があったんです。彼氏役だったり後輩役だったり学校の先輩役だったり。そのときに編集者の方から「全世代向けの相手役ができる人はなかなかいないよ」って言われました。写真一枚ではあるけど、これも一種の才能なんだよって。印象に残りづらいかもしれないし、キマってるわけでもないけど、演じる役柄にうまく合わせるというのは得意かもしれないです(笑)。

“理想の役者像”を教えてください。

意外と僕は目的地を決めないようにしています。たとえば、“こんな役者になりたい”っていう大きな決め事をしちゃうと、そこに向かって真っ直ぐにしか進めない気がしちゃって。なので、そこはあえてフワフワしたままというか、わざと決めきらないようにしています。役者として進んでいく過程で、寄り道をする方がたぶん自分の性には合ってるのかなって。壁にぶつかってボロボロになる時期があってもいいと思いますし。1つの目標に向かって真っ直ぐ進むことってカッコいいしうらやましいなとは思うんですけど、たぶん僕は道草をしている方が合ってるんだろうなって。

今後演じてみたい役はありますか?

肉体を使う役は、ちょっとやってみたいです。例えば、スポーツ選手とか。スポーツ選手って精神的にも肉体的にもすごいなって思うんです。自分が「すごいな」って思う別の職業を演じてみたいです。

坂口健太郎

1991年、東京都生まれ。映画『シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸』(14/永田琴 監督)で俳優デビュー後、ドラマや映画に引っ張りだこの人気若手俳優へと成長。2017年は映画『君と100回目の恋』(月川翔 監督)『ナラタージュ』(行定勲 監督)、ドラマ『東京タラレバ娘』(NTV)「コウノドリ」シリーズ(TBS)『ごめん、愛してる』(TBS)などの話題作への出演が続いた。2018年は、映画『今夜、ロマンス劇場で』(武内英樹 監督)に出演。また自信初の写真集『25.6』も発売された。

TVドラマ『シグナル 長期未解決事件捜査班』

毎週火曜よる9時~9時54分(カンテレ・フジテレビ系全国ネット)

原作:『シグナル』 
主題歌:BTS (防弾少年団) 「Don’t Leave Me」(Def Jam Recordings)
脚本:キム・ウニ
制作:Studio Dragon & ASTORY 
脚本:尾崎将也
演出:内片 輝 鈴木浩介
音楽:林ゆうき
プロデューサー:萩原 崇(カンテレ)、笠置高弘(カンテレ)、石田麻衣(ホリプロ)
制作著作:カンテレ

オフィシャルサイト
https://www.ktv.jp/signal/index.html

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