Interview

デビュー10周年を迎えたKalafinaの胸中。3人の半年間に密着したドキュメンタリー映画、その「見応えありすぎ」な全貌を明かす

デビュー10周年を迎えたKalafinaの胸中。3人の半年間に密着したドキュメンタリー映画、その「見応えありすぎ」な全貌を明かす

純粋な気持ちで「歌を届けたい」と思いながらその場にいられた

9月に日光東照宮、10月に興福寺という世界遺産でライブを行った様子も収録されています。お話をいただいたときの感想から教えてもらえますか?

Keiko 実は関係者の方が、オペラシティでの「Christmas Premium LIVE」をご覧くださっていて、かなり前にお話をいただいていました。「ぜひ」という気持ちでしたね。Kalafinaとしてクラシックのホールに見合う上質な音楽を届けたい、そんな気持ちでホールコンサートをやらせていただいてきて、そういった一つひとつが繋がって世界遺産という場所でのコンサートが実現したと思っています。私たち以上にお客様が楽しみにしてくださっていたのもうれしかったですね。

ステージではどういう気持ちで立たれていましたか?

Hikaru 当日もですけど、前日からその場所の歴史などを伺ったうえで立たせていただいたことは大きくて、ステージでは……、なんだろう、すごく浄化されている感じがしました。純粋な気持ちで「歌を届けたい」と思いながらその場にいられた気がします。日光東照宮はとても寒かったんですけど、空気がとても澄んでいて……。

Keiko 結界が張られているようだ、って3人で話していました。不思議な感じだったよね。

Hikaru ね。今までに味わったことのない、パワーや思いが集まった場所だとすごく感じました。

Keiko 生命力を奮い立たせるような……。思い出しただけで鳥肌が立つんです。

Wakana うん。時間が止まっているような、冷たくて宇宙空間のようでした。

Keiko 奈良では、目の前に薬師如来像様と向かい合って歌える環境を作っていただいて。

Hikaru お堂の扉を特別に開けていただきました。

Keiko 1300年の歴史で初めて。すべてが「初」というのは最初に伺っていたんですけど、音楽を聴きながら、奏でながら、対面した空間は本当に味わったことがなくて……。どちらの感覚も忘れられないよね。

Wakana うん、みんなで楽しむ音楽を人間が生み出したことはすごい、そう思いました。「この環境にそぐわなかったらどうしよう」という思いもあったんですけど、囲んでいる木々を見ていたら生まれたときを思い出すような、温かくて懐かしい気持ちになりましたし。そういう環境で音楽を楽しむというのは、人間の素晴らしい喜びのひとつだと思いました。

Keiko 神様も仏様も音楽が大好きで、というお話を興福寺でも日光東照宮でもお聞きしたんです。「だからKalafinaさんのハーモニーは大好物ですよ」って(笑)。私たちも、歌い続けたハーモニーをこういう形で神様や仏様にお届けできるということで、始まる前に3人で「ありがとうございます」のご祈願、ご祈祷をさせていただきました。この映画のおかげでそれを形に残せて……、うれしいです。

Wakana 「優しい歌」のシーン、すごくきれいだった。

Keiko 五重塔と。

Wakana 空と私たちと、ね。虫の音が聴こえるような、でもそれもいっさい消えた無音みたいなあの瞬間。

Keiko 残せたね。

Hikaru うん。

Wakana 本当に観てもらいたい。

Keiko ぜひご覧いただきたいです!

Wakanaさんは奈良の興福寺で鹿におせんべいをあげる機会も。

Wakana 中金堂の前の空き地に鹿がいたので「おっ!」と思って、たわむれました。私が「鹿が見たい」って言ったんです。でも、リハーサル中に鹿が客席へ入ってくるというのは奈良ならではの光景ですよね(笑)。「こういう自然の環境って素晴らしいなぁ」って思いました。

本番は本番で、お客様は頭上に星がよく見えていたようで、『その中での「満天」は本当によかったですよ』と言っていただけたんですけど、昼間の風景も見ていただけてよかったです。あ!日光にも鹿がいたんですよ。夜、帰るときに車の目の前を鹿の親子が。

Keiko おめめが光っていたよね。

Kalafina エンタメステーションインタビュー

3人の歌い方がどんどんと変わっていった10年間

10年という月日は今回の映画だけではカバーできない月日かと思いますが、この10年で自身のどこがいちばん変わったと思いますか?

Hikaru 私はしゃべるようになりました、単純に。自分の言葉を話す時間も量も増えましたね。ご存知でしょうけど、最初の頃は記事にするのが大変なくらい(発言の)バランスが取れなくて。

Keikoさんが(親指と人差し指の間を大きく広げて)これだけしゃべる、Wakanaさんがこれだけしゃべる、Hikaruは(指の間を縮めて)これだけ、という記者さん泣かせのことがよくあったんですけど、ラジオとMCで鍛えられましてやっとここまで。徐々に徐々に(笑)。

Keiko 私は2015年に初めて立った武道館が印象的で。直前に出させていただいたベストアルバム(『THE BEST “Red”』『THE BEST “Blue”』)に合わせて、「”Red Day”」「”Blue Day”」という異なるセットリストの2Daysに挑戦をしたんですけど、3人の夢の場所である武道館ということもあってダブルの緊張感がありました。

3人にとって大きくて高い壁だったとは思うんですけど、気持ちをひとつにして乗り越えたあの瞬間は、それぞれがボーカリストである自分に向き合う転機になりました。挑戦していこうという勇気を得られたと思います。

Wakana 私は、歌い方かな。ふたりには「全然変わらないよ」って言ってもらえるんですけど、自分の中では歌い方が強くなれた気がしているんです。三声での自分の立ち位置を考えてもっとパワーがほしいと思ったこともあって。

上京した当時、Kalafinaとして活動する前に仮歌の仕事を経験させてもらったんですけど、当時の歌をこの間聴いてみたらハイ(トーン域)は裏声だったんですね。「そうだったな」って。地声でなんて出なかったんですよ。「ring your bell」でF#が4小節も続くところなんて私の中ではありえませんでした。でも、梶浦(由記)さんがスパルタですけど期待してくれて、梶浦さんが求める音楽性を3人も求め出したことで、私だけではなくみんなの歌い方がどんどん変化していった10年間だと思います。

「これ、Wakanaは地声でいけるよね」とか「この部分はやっぱりHikaruのほうがいいよね」とかそういうこともお互いが分かるし、自分たちの声をいちばん理解しているのはこの3人と梶浦さんだとは思います。

Kalafinaが辿った10年を振り返ると、これからの3人の歌声にも期待してしまいます。個人的には違う世界遺産でのコンサートも見たいと思いました。

Wakana マチュ・ピチュとか?(笑)。

Keiko 興福寺の方々には「落慶が終わったらまたやってください」ってお声も。

Hikaru はい、いただきました。ありがたいです。

Keiko 私たちも歌わせていただき、「続けたい」と思ったライブでしたので、今日は掘り下げていただけてうれしかったです。あのときのことを思い出しました。

『Kalafina 10th Anniversary Film ~夢が紡ぐ輝きのハーモニー~』

2018年3月30日(金)~4月12日(木)2週間限定ロードショー

監督:河東 茂
製作:東宝、スペースクラフトプロデュース、ソニー・ミュージックレーベルズ
配給:東宝映像事業部

『Kalafina 10th Anniversary Film ~夢が紡ぐ輝きのハーモニー~』オフィシャルサイト

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