カンパネラという正三角形が新たな中毒を呼ぶ!?  vol. 2

Interview

カンパネラという正三角形が新たな中毒を呼ぶ!?(後編)

カンパネラという正三角形が新たな中毒を呼ぶ!?(後編)
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でもそれは、ドSになってるわけじゃないでしょ?

コムアイ んー、ドSっていうか、普通に足りないと思ったりとか、なんか今の気分じゃ――ドSか。ドSかもしれないですけどね。単に自分の気分に合わないときは出せません。インタビューで「不満ですか?」って言われて、「この曲が実は好きじゃなくて」って言われてもライターとか困るじゃないですか。「そう言われても書けないしな」みたいになるじゃん? そういうのをなるべく――

いや、見出しにしますけど。

コムアイ あはは! ウケるぅ?!(爆笑) 「このアルバムは出したくなかった」みたいな?

「ホントは出したくなかった」とか、「実はこの曲、嫌いなんです、私」みたいな。

コムアイ ダサいじゃないですか、だから最低限そういうことがないように、でもなるべく任せていて、自分がファシストにならないようには気をつけているつもりです。

ケンモチ ファシスト!(笑)

コムアイ うん。それもイヤだし、出来上がったときに私が面白くないと思うんです。だから、イヤだけど、「これは普通にイヤ!」って思ったらお願いしたりしますね。ケンモチさんはイヤな理由がわかったり、わからなかったりだと思いますね。

けっこう直感的なことなのかもしれないね。

コムアイ そうかもしれないです。歌詞のことはそうでもなかったし……どうだろう、でも勘でしかないから、上手く私も説明できなくて、なんだかなと思いながらケンモチさんも……。

ケンモチ ははは!

コムアイ 「はい」つって。

ケンモチ 自分と等身大っぽい歌詞が書いてるのはすごいイヤでしょ。なんか、言いそうで言わなさそうな。なんだっけなあ、NGにしたやつあったんだよなあ……。

コムアイ 私、なんか戦争っぽい匂いがするやつとかは嫌がったりするな。

Dir.F ああ、飛行機の。

コムアイ そう、戦闘機の名前は嫌がったね。

へぇー。

ケンモチ 「ムーラン」っていう曲を最初作ろうと思ってて、「ムーラン」ってホントは女の子なんだけど、男のフリをして兵隊になって、で、結局その国を救うっていう話なんですけど、「いや、戦いの歌にはしたくない」みたいな話になって、「ムーランから戦いの話を取ったら何も書けねえぞ」みたいになって(苦笑)、急遽やめて猪八戒の曲になったっていう。

もう、“ムーランルージュ”とか、そういう全然違うものにするしかないよね。

ケンモチ そう、そっちに膨らまそうと思ったんですけど、膨らますどころかもう、「あと2日であげてください」みたいな制作スケジュールだったので、2日前に「猪八戒」になったんですよ。ははは! 「もうダメ、「ムーラン」じゃ無理だ!」ってなって(笑)。

コムアイ あれは起死回生でしたね。

僕は、「シャクシャイン」が超絶好きなんですけど、地名が連続して出てくるのは、ケンモチさんのアイディアですか?

ケンモチ そうですね。『羅生門』っていうアルバムで一回、東京の地下鉄の駅名でラップをした曲があって。「モノポリー」って曲なんですけど、それの拡大バージョンみたいなのを作りたいなあと思って、日本語でも英語でもない、呪文みたいなラップにしたかったんですよ。“テクマクマヤコン”みたいな感じで。で、それを探してたときに、北海道の地名を見つけて。アイヌ語が元になっているので、日本語の響きと全然違うし、英語でもないし、面白かったんです。“北海道の人でも読めない地名一覧”みたいなのがウェブ上にあって、そこで一個一個、音のハマリとか字数とかで作っていって、イントロを作ったところで地名のネタがちょっと途切れてしまいまして、「なくなっちゃった、どうしよう」と思って(苦笑)。

(一同笑い)

ケンモチ で、その次に目を付けたのが、旅行代理店の、H.I.S.とか、じゃらんとかの、パンフレットを見てたら、「ジンギスカンとずわい蟹食べ放題 3泊4日の旅」とか、「オホーツク海 流氷号で巡るアザラシとの初対面」とか書いてあって、なんかそういう旅行代理店のキャッチコピーが全部、すごく言いやすくてキレイにできてるコピーなんですよ。見てるうちに「これ、ラップだなあ」と思って。一個一個そうやってサンプリングしていったんですよね。

シャクシャインのことは一応調べたんですか?

ケンモチ そうですね。人名縛りにしてるので、北海道の有名人みたいなのを調べたら、間宮林蔵と伊能忠敬とシャクシャインって出てきて……、何故か「シャクシャイン」になりました。

そのポイントは何なの?

ケンモチ 確か「どれかにしようかな」みたいな感じになって。

コムアイ 何でもシャクシャインになりそうじゃない?

ケンモチ たぶん「余裕綽々」って言いたかっただけだろうしね(笑)。

コムアイ 「余裕綽々シャクシャイン」。

そういう、語呂?

ケンモチ そうですね。あとは最後に、レコーディングするときになって、コムアイが急に「これ、ご当地ネタ入れようよ」みたいな話をして、で、レコーディングのブースに入ったその場でツイッターで北海道の人たちに「ご当地ネタ教えてー」って言って。それで、“キッコーマンめんみ”とか、“やきそば弁当”とか、あと「冬はサビーナぁ」っていう。

コムアイ メッチャ好きなんだよね。

ケンモチ もう、地元の人しか絶対わからないような、“サビーナ化粧品”っていう化粧品のCMで「冬はサビーナぁ」っていう。

コムアイ あき竹城さんが言ってるの。振り返って「冬はサビーナぁ」って言うCMがあるんですけど(笑)、それはけっこうローカルCMでみんな知ってるって――「ホントに知ってる?」って何人にも聞いて、「ホントにみんなこれ、滑らない?」そしたら「みんな知ってるって!」って。

「みんな、本当に見てるの?」みたいな。

コムアイ そう、「絶対北海道で育ったら知ってるから大丈夫」「じゃあ入れよう」って。

ケンモチ それでご当地ネタをちょっとつまんで入れたんです。

さて、だんだんDir.Fの現場レベルの作業がなくなってきている現状はありますが(笑)、今後どうなっていくか、あるいは、どうしたいか、どうなってほしいか、っていう、水曜日のカンパネラの展望を含めてお聞かせ願いたいんですが。

Dir.F そうですね、スケールの大きな質問ですね(笑)。今はこういう感じでやってますけど、もうちょっと広く遠い所の人にも知られたいなっていう展望もあって。水曜日のカンパネラの音楽の特徴として歌詞自体にあまり意味をもたせていないので、音楽自体の言語の壁は少ないと思っていて、それこそ、海外の人とコミュニケーションできるような環境を2016年は作りたいなあっていうところで今いろいろと仕込んでる最中です。今はそういう段階ですかね。
最近は日本のアーティストも海外に行く機会が増えて来てますが、まだちゃんと交流できていないという気がしています。その壁が言語だけなのか、まだ、何なのかっていうのもわかってないんですが、だからこそその壁にぶつかっていきたいなっていう感じですね。

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水曜日のカンパネラが“面白ラップ”と言われている、その範疇を超えていくものが、さっきコムアイさんが言った、「べつに歌詞に感動して音楽を聴いてるわけじゃない」っていう、その大きなものが何かっていうのがわかると――具体的にね。

Dir.F うん、そうなんですよね。

コムアイ ホント、そうですねえ。

そうすると、面白ラップの範疇から跳び越えていけるものができるんじゃないかなと思っているんです。

コムアイ そうですよね。日本でウケてる理由は、たぶん全然グルーブじゃなくてそっちなんですよ。歌詞、ホントJ-POP的なところが長所になってウケてるんで、何というか、自分では名実伴ってない感じがしてるんですよ。売れたわりに、まだ自分が納得できる良さが全然作れてないなと思っていて。そこですね。そこを太くしていけば、むしろここから楽になるかなという感じです。

というのはありますね。さっきコムアイさんが言ったことが具体的にわかるっていう現場が生まれるといいですね。

コムアイ そうすると、作りやすくなるから、自分たちで。

ぜひそこに向けて頑張ってほしいなと思います。今日のインタビューは、そういう布石になればいいなというところで、インタビューを設定させていただきました。

3人 ありがとうございました!

インタビュー・文 / 佐伯明 撮影 / 森崎純子

水曜日のカンパネラ

2012年、夏。初のデモ音源「オズ」「空海」をYouTubeに配信し始動。
「水曜日のカンパネラ」の語源は、水曜日に打合せが多かったから・・・と言う理由と、それ以外にも、様々な説がある。
 当初グループを予定して名付けられていたが、現在ステージとしてはコムアイのみが担当。
 それ以降、ボーカルのコムアイを中心とした、暢気でマイペースな音楽や様々な活動がスタートしている。

コムアイ
担当:主演 / 歌唱
1992年7月22日生まれ。
神奈川県出身。

成人しても未だ「クロール」と「逆上がり」ができないという弱点を持つ。
高校生時代には、いくつかのNGOやNPOに関わり活発に動き回る。
サルサダンスに毒され、キューバへ旅し、同世代100人のチェキスナップとインタビューを敢行。
その後は、畑の暮らしを体験したり、たまに海外へ。
最近は、鹿の解体を習得中。
好物は、今川焼と明石焼。

また、“サウンドプロデュース”にKenmochi Hidefumi。
その他、“何でも屋”のDir.F。
などが、活動を支えるメンバーとして所属。
 
オフィシャルサイトhttp://www.wed-camp.com/

リリース情報

ジパング

ジパング
TRNW-0150 ¥2,315-+(税)

収録曲:
01.シャクシャイン
02.猪八戒
03.メデューサ
04.ラー
05.ツイッギー
06.ウランちゃん
07.ライト兄弟
08.小野妹子
09.西玉夫
10.マッチ売りの少女

ライブ情報

水曜日のカンパネラ・ワンマンライブ2016決定!
●水曜日のカンパネラ・ワンマンライブ NANIWA!
2/24(水) 大阪 BIGCAAT 18:30/19:30

●水曜日のカンパネラ・ワンマンライブ OEDO!
2/28(日) 東京 Zepp DiverCity 17:00/18:00

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