黒川文雄のエンタメ異人伝  vol. 13

Interview

ゲームディレクター須田剛一氏(下)起業の試練を越えたグラスホッパーが今描く未来

ゲームディレクター須田剛一氏(下)起業の試練を越えたグラスホッパーが今描く未来

自分が動かなければ何も動かない

今はスマートフォンに多くの人がシフトしていますけど、スマートフォンにおけるゲームみたいなものは須田さんの中でイメージはあるんでしょうか。

須田 今のところないです。やっぱりコンシューマーの中で勝負していきたいです。それに、コンシューマーはコンシューマーでSteamの台頭もあったりして、プラットフォームがたくさんある世界になっているじゃないですか。すごく健全になっているので、チャンスがもらえる限りは作っていきたいと思っています。

プロレス団体じゃないですけど、須田さんはゲーム業界に入る前からいろんな世界を見てきて、ヒューマンに入ってそこから離れてというか分派して、アスキーがいろいろ事情があって独立されてっていう。生まれるものと壊れるものの繰り返しの中で、すごくたくましく生きられてますよね。

須田 そうですかね。

本当にインディペンデントで作っているっていう意味で輝いていると思うんですよ。

須田 ありがとうございます。逆境のほうがチャンスって、いろんな方が言うじゃないですか。それは自分でも感じるところがすごくあって。本当に会社がヤバいときとか、この先どうなるんだろうって思ったときのほうが僕自身もエネルギー出ますし、いろんな意味で好転することがあるんですよね。

でも、やっぱり自分が動かなければ何も動かないですよ。自分の意識とかにエネルギーを注入しておくことによって、そのエネルギーを感じてくれている人や応援してくれている人が僕を見つけてくれたりすると思うんですよね。じゃあ、コイツとやってあげよう、コイツを助けてあげようと。

そこで僕自身のエネルギーが切れたりしていたら、多分応援してくれないと思うんです。それはモノを作るエネルギーとかもそうです。多分、ガンホー・グループに入るときも、森下はそれを感じ取って、一緒にやろうぜって言ってくれたと思うので、そこの火だけは絶やさないようにしたいなと思ってますよね。

同期のような存在のクリエイターたちと刺激しあいながら

その火が永遠に燃え盛っていてほしいと思います。

須田 この連載の1回前がサイバーコネクトツーの松山(洋)さんじゃないですか。松山さんもまさにインディペンデントで21年、会社でいうと1コ先輩なんです。

そうですね、21年ですね。

須田 で、同期だとレベルファイブ。日野(晃博)さんも今年20周年なんですよ。会社でいう同期の方たちなので、松山さんや日野さんの存在はすごく刺激になりますね。あの人たち、またあんなことしてるわ、負けてらんないぞって思いますし。

いや、全然負けてないですよ。いい意味で十分バッドテイストだと思います(笑)。そういう意味では、須田さんはすごいと思いますよ。

須田 初めて言われました、うれしいですね。

それにしても、須田さんも松山さんも日野さんも会社を興して20年なんですね。

須田 そうなんです。で、日野さんの場合はリバーヒルソフトにいて、脱藩されたわけじゃないですか。僕もヒューマンから脱藩して。しかも日野さんは年齢が1個下で、ほぼ同年代なんです。もちろん、スタイルも違えば、作るモノも全然違いますけどね。松山さんは松山さんで会社が1年先輩だったりするので、いろいろ刺激になります。

今度、3人でトークショウやりましょう。

須田 面白いですねえ。ぜひぜひお願いします。

撮影 / 石井小太郎 取材協力 / 仁志睦

著者プロフィール:黒川文雄【インタビュー取材】

くろかわ・ふみお
1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDEにてゲームソフトビジネス、デックスエンタテインメント、NHN Japan(現LINE・NHN PlayArt)にてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。アドバイザー・顧問。黒川メディアコンテンツ研究所・所長。株式会社ジェミニエンタテインメント代表。DMMオンラインサロンにて「オンラインサロン黒川塾」を展開中。
黒川塾主宰。ゲームコンテンツ、映像コンテンツなどプロデュース作多数。

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