奥田民生ロックンロールの細道  vol. 4

Interview

奥田民生 ロックンロールの細道 後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)にとっての日本語ロックの原体験

奥田民生 ロックンロールの細道 後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)にとっての日本語ロックの原体験

世代的には奥田より約10歳下のアジカン・後藤正文。
中学生の時にユニコーンの音楽に魅かれ・・・
メジャーデビューの後も、奥田との交流が続き、さまざまなポイントで音楽的影響を受けたと彼は言う。
自分たちの新譜プロモーションで多忙のさ中、ゴッチに、民生という音楽家の“懐の深さ”を語ってもらった。

「声が全然衰えない。酒飲んでて、なんであんなに(声が)出るのかよくわかんないです(笑)。」(後藤正文)

奥田民生さんの音楽に最初に感動したのは?

後藤 ユニコーンのアルバム『服部』ですね。中学生のときに、友達から借りて聴きました。クイーンのアルバムと一緒に借りたんですけど、ユニコーンのほうが好きでした。

ユニコーンのどんなところに魅かれたんですか?

後藤 歌詞のテーマが、それまで聴いてた音楽とまったく違っていた。「大迷惑」は単身赴任の歌で、なんか不思議な感じでしたよね。フザケてるわけじゃないのは伝わってくるんですけど・・・もしかしたらフザケてたのかな?(笑)でもなぜかカッコイイなと思いました。『ヒゲとボイン』もすごく聴きました。『おどる亀ヤプシ』は買いました。あれに入ってる「PTA ~光のネットワーク~」なんか、当時売れていたTM NETWORKのいじり方がすごいですよ。今、振り返っても、ヤバイことやってるなと思います(笑)。

当時から上質のパロディをやってた(笑)。民生さんのソロに関しては?

後藤 ソロが出たのは、僕が高校の終わりの頃です。ユニコーンを解散してから、しばらく釣りとかしてらっしゃいましたよね。バリ島にハマったり。「俺、働かないぞ」みたいな感じで。でも、そういう生き方に僕は影響受けてました。あれ? 僕、けっこう民生さんに詳しいですね(笑)。 

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その頃に“怠け者”のイメージが付いた。本当は働き者なのに(笑)。

後藤 ソロはすごくいいと思いました。ファースト・アルバム『29』に入っていた「674」って曲、めちゃくちゃ好きですね。

この前のマツダスタジアムでの“ひとり股旅スペシャル”では、1曲目に歌いましたよ。

後藤 「674」は僕の上京ソングです。ちょうど浪人が決まった頃で、「674」を聴きながら東京に出てきて、ホントにムナシイなって(笑)。自分の中では東京の風景と重なりますね。上京の思い出の1枚って感じです。
 大学生になってからは、カラオケで「イージュー★ライダー」を歌ってました。その後、洋楽に目覚めましたが、民生さんはずっと追いかけて聴いてました。

アジカンでデビューしてからは?

後藤 デビューしたら、対談に呼んでもらえるようになったりして、すごく感動しましたね。民生さんは会ったら「お〜」って言ってくれますけど、僕は今でも緊張しますよ。どういうふうに接していいか、いまだにわからない(笑)。横にいるだけで満足しちゃうから、話すことがないんです。
音楽周りの話はほとんどしませんけど、民生さんはライブで酒飲んでてズルいっていう話とかはしました。「何を飲んでるんですか?」、「ウイスキーだよ。酒を飲むとリラックスできる。ライブでリラックスしてる自分を取るか、ガチガチに緊張してやる自分を取るか。そうすると、やっぱ飲むしかないんだ」みたいなことを言ってました(笑)。

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僕の評論集(『弱虫のロック論』2013年@Zepp TOKYO)の出版記念ライブで、民生さんとアジカンの対バンをやってもらいましたね。

後藤 あの時も、なかなかいいニオイをされてましたからね、プーンと(笑)。一緒にセッションやったときも、飲んでましたよ。

民生さんとの印象深い思い出は?

後藤 民生さんが広島市民球場で“ひとり股旅”をやったときに(2004年)、アジカンの「君という花」を歌ってくれた。すごく嬉しくて、広島まで観に行きました。あのライブを観ていて、やっぱりいい曲がいっぱいあるなと思いました。

ちなみに音楽的には影響を受けてるんですか?

後藤 もちろん受けてますよ、ものすごく。僕が「だるそうに歌うよね」って言われるのは、民生さんの影響がある。それはもうだって、僕の日本語のロックの原体験なんですよ。ユニコーンは、カッコイイと思ってライブを見に行きたいと思った初めての日本のロックバンドですからね。チケットまで取ったんですけど、野球部の試合があって行けなかった。行った友達が、グッズの“ユニコーン弁当箱”を買ってきてくれましたけど(笑)。

歌詞の書き方には影響を受けましたか?

後藤 あの感じは、マネできない。独特のオリジナリティがある。だからマネすると、民生さんになっちゃう。例えば語尾に「なのだ」って付けたら、モロに民生節じゃないですか。そういう意味ではマネできないです。専売特許みたいなものが、詞の中にあると思います。

音楽的には?

後藤 音楽家として、サウンドについてのこだわりを持ち続けているところがすごいと思う。売れてくると、手を抜く人がいるじゃないですか。でも民生さんはこだわり続けてますよね。
でもその割に、昔からそんなにガツガツやってる感じがしなかった。ユニコーンでも、バンドを引っ張ってるっていう感じとは違ってた。すごくいい曲も書くけど、なんか趣味みたいな曲も作るし。それでいながら、他のメンバーの曲で遊んだり、バンドをうまく楽しんでいるのは、うらやましいですね。

ボーカリストとして、影響は受けましたか?

後藤 僕は来年40才なんで、民生さんは11才上です。それくらいの年の差だと、ちょっと近い気もします。この前、山下達郎さんのライブを見て、62才だって言ってた。それくらい離れていると、目標としては掲げやすいかな。自分が還暦を過ぎたあとに、あの声が出るかなみたいな。
民生さんも、声が全然衰えない感じがありますよね。一緒にやってると、「生の声がでかいな」って思いますよ。声がよく通る。酒飲んでて、なんであんなに出るのかがよくわかんないです(笑)。

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酒を飲んで歌うのは、喉にすごくいけないって医者は言うけどね(笑)。

後藤 そんなの関係ないとか言ってた気がするな(笑)。

人間的な意味での影響は?

後藤 僕はパブリックイメージの民生さんしか知らないから、なんともわからないところがありますけど、きっとそれなりに苦労もあるんでしょうけど、絶対「してない」って言うでしょうね(笑)
僕もソロを始めてから(2014年から)、民生さんはソロとバンドをどう切り替えてるのかっていうのは気になります。でも、綿密に作戦を練ってる感じはしない(笑)。
バンドへの関わり方は、民生さんみたいにしてきたいですね。僕も、今のユニコーンの民生さんみたいになれたらいいなと思います。なんか、すごく楽しそうですよね。メンバーみんなのキャラが立ってる。ああいう分担の仕方がいいなと思う。ズルいなとも思いながら憧れてます。

Interview&text / 平山雄一

後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)

1976年生まれ。ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターであり、ほとんどの曲の作詞・作曲を手掛ける。キューンミュージックより8枚目となる最新アルバム「Wonder Future」を2015年5月27日に発表。2010年にはレーベル「only in dreams」を発足し、webサイトも同時に開設。また、新しい時代やこれからの社会など私たちの未来を考える新聞「THE FUTURE TIMES」を編集長として発行するなど、 音楽はもちろんブログやTwitterでの社会とコミットした言動でも注目され、後藤のTwitterフォロワー数は現在284,000人を超える。
ソロ作品としては初のアルバム「Can’t Be Forever Young」を2014年4月19日RECORD STORE DAYに発売。その後10公演の全国ツアーを決行し、FUJI ROCK FESTIVALにも出演。2014年11月にはソロ・ツアーのライブ盤『Live In Tokyo』を発表。

ASIAN KUNG-FU GENERATION New Release

今年出したアルバム『Wonder Future』は、J-ROCKじゃなく、Jの付かないロックを作ろうと思ってアメリカに行ってレコーディングしました。でも今回のアジカンのシングル「Right Now」は、映画『ピンクとグレー』の主題歌っていうことで、Jがあったほうがいいと思ったんです。日本のバンドとして映画の主題歌にちゃんと向きあおうって思いました。
さらに映画の側から「疾走感のある曲を」っていうオーダーがあったので、曲作りはベースの山ちゃん(山田貴洋)に頼らせてもらいました(笑)。

僕も曲を書く人間としてはバンドで自分の役割を担いますけど、民生さんはメンバーとの分担の仕方がうまい。
面白いんですけど、バンドがぐいぐい進んでるときって、周りの言うことをあまり聞かない。でもアルバムを作り終わって、出がらしみたいになってるときの方が、力が抜けてポップな曲がポンってできたりする。今回も、スタッフはそれを狙ってたんだと思うんですよ。それで僕、「山ちゃん、よろしく頼むよ」って。あっ、これって民生さんっぽいですかね(笑)。

RightNow

New Single 2016.01.06 Release
映画『ピンクとグレー』主題歌
Right Now


【収録曲】

01. Right Now
02. Eternal Sunshine / 永遠の陽光 (LIVE)
03. 深呼吸 (LIVE)
04. Wonder Future / ワンダーフューチャー (LIVE)

■初回生産限定盤 CD+DVD:KSCL-2647~2648 ¥1,500+税
【DVD収録内容】
「Right Now」Music Clip
「Right Now」メイキング
■通常盤 CD:KSCL-2649 \1,250+税
■Loppi (ローソン・ミニストップ)&HMV限定セット
初回生産限定盤/通常盤それぞれに、<ASIAN KUNG-FU GENERATION オリジナルマフラータオル>が付いた限定セットの発売が決定!
ローソン・ミニストップ店頭のLoppi・HMV店頭・HMV ONLINEにて、予約受付開始!

詳細はコチラ → http://www.hmv.co.jp/newsdetail/article/1511241006/

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New Blu-ray / DVD 2016.01.06 Release
映像作品集11巻
【MUSIC CLIP】


01. All right part2
02. マーチングバンド
03. 踵で愛を打ち鳴らせ
04. 夜を越えて
05. それでは、また明日
06. バイシクルレース
07. 今を生きて
08. Loser
09. ローリングストーン
10. スタンダード
11. Easter / 復活祭
12. Planet of the Apes / 猿の惑星
13. Opera Glasses / オペラグラス

【EXTRA】
・MUSIC CLIPメイキング集
「All right part2」「踵で愛を打ち鳴らせ」「それでは、また明日」「今を生きて」「Planet of the Apes / 猿の惑星」「Opera Glasses / オペラグラス」
・ローリングストーン(long ver.)
■Blu-ray:KSXL-95 3,500 円+税
■DVD:KSBL-6201 3,000 円+税


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