黒選!メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1  vol. 22

Column

圧巻の無双ぶり!コーエテクモゲームス3+1選

圧巻の無双ぶり!コーエテクモゲームス3+1選

時代を切り開くか!?VRセンス

2017年にアーケード向けVRハードウェア+コンテンツとして開発されたコーエーテクモの「VRセンス」。

外観はシャープで近未来的なデザインになっています。

このコンセプトデザインを作ったのはコーエーテクモHD代表取締役会長である襟川惠子氏。
初期光栄時代のゲームパッケージイラストを手掛けるなど、多磨美術大学 美術部デザイン科を卒業されているので、工業製品のデザインも通用するセンスをお持ちです。ちなみに、「VR センス」のデザインスケッチは海外出張中にエンピツでササッと描いたというエピソードを披露してくれたこともあります。

乙女ゲーム生みの親 襟川惠子氏(下)波瀾万丈を越えて革新的VR、その先へ

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2017.07.25

本機の特徴は家庭用100Vで稼働し、設置や移動には分割する事も可能なので、大型店に限らず、多くのゲームセンターで導入がしやすい設計がなされています。

そして、「五感を刺激する8つのギミック」というのがVRセンス最大の特徴です。

1:アクションを体感させる「多機能3Dシート」
2:感動の8種類「香り機能」
3:予想外の驚きを演出する「頭部タッチ機能」
4:VRに連動した演出を可能に「足部タッチ機能」
5:炎の熱さを体感「暖機能」
6:氷山の冷たさも再現「冷機能」
7:雨や湿気など気候を感じさせる「ミスト機能」
8:そよ風~強風まで再現「風機能」

の8つの体感システムを搭載し、国際特許を出願中だそうです。

カラーは「スパーリングシルバー」と「スパークリングブルー」の2色で、1台で3タイトルを同梱。(追加で5タイトルまで搭載が可能。)

現在発表済みのコンテンツは『DEAD OR ALIVE XEREME SENSE』『超 真・三國無双』『GI JOCKEY SENSE』『-ホラー-SENSE~ だるまさんがころんだ~』『超 戦国コースター』『3 Majesty × X.I.P DREAM☆LIVE』の6タイトルです。

1プレイは800円。(ゴーグルなどに貼り付ける抗菌シート含む)
今後も新規タイトルの開発が行われているそうなので期待して続報を待ちましょう。

また、重量も約300kgとかなり軽く、価格も320万円(税別)ほどなので、店舗へ導入しやすくなっています。

24年前にセガ(現:セガゲームス)が開発したAS-1と比較すると良く分かりますが、価格は当時4000万円と言われましたが、それでも量産効果で安くなっていたとのこと・・・。

AS-1は8人乗りだったので、かなり大きかったのですが、当時としてはそれでもコンパクトな方でした。

そう考えますと、「VR センス」やはり導入しやすいハードウェアだと思います。

また、開発のしやすさや低価格化を実現するために、ハードウェアはプレイステーション4を採用し、VR部分もPSVRやプレイステーション4コントローラーを採用しています。

これは開発側も慣れたハードであるため開発が容易である事とプレイする人にとっても、身近な操作感覚なので、初めてでもプレイに慣れやすい環境ではないでしょうか?

そして、「VR センス」で開発されたソフトはそのままPSVR対応ソフトとしての発売も企画されているそうです。その場合、「5感を刺激する8つのギミック」はありませんが、家庭でもVRが気軽に楽しめるようになっているのも「VR センス」の特徴と言えます。

ただ、「VR センス」に限った事ではありませんが、ジャパンアミューズメントエキスポ2017で公開された各社のVR機器を見ますと、外観はカッコイイのですが、中に入るとかなり無骨な工業製品的なままの物も多い様子です。

HMDでプレイ中は見えないわけですが、HMDを装着するまでの間に感じる「箱の中」感や初めて乗る筐体に対しての緊張感など、心理的に配慮する工夫が今一つ欲しいと感じるところがあります。

また、絶叫モノと呼ばれる恐怖体験やジェットコースターのようなゲームの場合は、プレイ中にユーザーが大きな声で悲鳴を上げる事もしばしばありますので、他のゲームをプレイする周囲に配慮が必要になりそうな気がします。

そう考えますと、アーケード向けの場合、各社VR機器の進化と共に、ユーザーへの配慮も今後の課題として進化して行くのではないかと感じます。

ゲームとは異なる世界ではありますが、先に開催された東京モーターショウ(期間 10月27日―11月5日)でも数多くのブースでVRを使用してデモンストレーションや実車、乗車体験を演出として使用していました。まだまだ、家庭へのVRの普及は時間が掛かりそうですが、「VRセンス」のようにアミューズメント施設での体験演出を高めることで、その導入への加速が促進されることを願っています。

それではよい週末をお過ごしください。SeeYou

文 / 黒川文雄


著者プロフィール:黒川文雄(くろかわ・ふみお)

1960年、東京都生まれ。
音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDEにてゲームソフトビジネス、デックスエンタテインメント、NHN Japan(現LINE・NHN PlayArt)にてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。アドバイザー・顧問。黒川メディアコンテンツ研究所・所長。株式会社ジェミニエンタテインメント代表。
黒川塾主宰。ゲームコンテンツ、映像コンテンツなどプロデュース作多数。
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