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『探偵 神宮寺三郎 GHOST OF THE DUSK』蘇った名作ハードボイルド推理アドベンチャー

『探偵 神宮寺三郎 GHOST OF THE DUSK』蘇った名作ハードボイルド推理アドベンチャー

『神宮寺』の世界に欠かせない人物たち

探偵が活躍する物語と言えば、欠かすことができないのは探偵の助手です。ときには主人公である探偵の推理を読者に披露させるための質問役になり、ときには探偵にひらめきを与える助言役になる助手というポジションは、探偵自身と同じように重要であり、ホームズに対するワトソンなど、助手も作品を代表するキャラクターとなります。

そんな助手として登場し神宮寺を助ける御苑洋子は、『神宮寺』シリーズには欠かせない人物です。数ヵ国語を操り、神宮寺すら驚かせる推理を見せ、おまけに美人。才色兼備という言葉をそのまま当てはめたようなキャラクターである彼女ですが、彼女のビジュアル、より正確に言えばビジュアルの“変化“も『神宮寺』シリーズの名物となっています。同じキャラクターであっても作品ごとにビジュアルが変化していくことはシリーズ作品の常ですが、御苑洋子というキャラクターは性格こそ大きく変わらないものの、その外見に関しては完全に別人というレベルで変化します。各シナリオで彼女がどんな姿を見せるか、という点も『神宮寺』シリーズにおける楽しみのひとつとなっているのです。

▲こちらが本編“GOD“に登場する御苑。ほかのシナリオでの姿を見てみると……?

▲御覧の通り服装や髪型はもちろん、目つきや雰囲気なども大きく変わっています。個人的には右上の御苑がかなりツボです

また、彼女だけでなく登場人物全員がデフォルメされた姿で登場する“謎の事件簿“に至っては、彼女はまさかのロボット化を果たした姿で登場します。さらに推理を間違えると「待ったなしパーーーンチ!!!」の声とともにロケットパンチをぶちかますというぶっ飛んだ設定になっており、通常のシナリオにおける物腰柔らかな才媛というキャラクターとはかけ離れた方向性でプレイヤーを楽しませてくれます。

▲本編のハードボイルドから何をどうしたらこのカオスが生まれるのか……! この好待遇(?)を見ても御苑がスタッフに愛されていることがうかがえます

神宮寺と御苑、このふたりが依頼を受けて事件の調査を行う際にしばしば協力関係を持つことになるのが、こちらも探偵ものでは定番となる警察関係者です。『神宮寺』シリーズでは新宿淀橋署の熊野参造、通称“熊さん“が神宮寺と関わりの深い警官として登場します。30年以上のキャリアを持つベテランである彼は神宮寺と同様に困っている人を助けたいと思うタイプの人間で、事件解決に協力してくれることもある神宮寺とは事件以外でもいっしょに酒を飲みに行く、良い友人関係にあります。

▲人が良さそうな外見の通り、陽気な性格の熊野。多くのシナリオで神宮寺に調査のヒントとなる情報を提供してくれます

神宮寺に協力してくれる警察は熊野だけではなく、本作のメインシナリオ“GOD“や一部のシナリオでは女性鑑識官である三好志保も事件の解決に力を貸してくれるキーパーソンとして登場します。“趣味で鑑識をやっている“というかなりの変わり種ですが、その腕は一流。ほかの人間が見ただけでは手掛かりを得るのが難しいような現場・遺留物でも、彼女の手にかかれば残された事実がかなり正確に分析されてしまいます。

その科学的な分析の力に神宮寺がお世話になることも多いのですが、「神宮寺が関わっている事件で大事にならなかった試しがない」といった、神宮寺にとっては耳の痛い発言をするところもあったりします。

▲御苑ほどではありませんが、三好も本編と携帯アプリ版シナリオとで外見が変化します

ほかにも、義理人情を重んじる極道、“関東明治組“の組長である風鈴豪造やそのほかの組員、はたまた情報屋としての顔も持つホームレスの前田明宏など、立場の異なるさまざまな登場人物が神宮寺とのつながりを持っています。そういった登場人物同士の些細なやり取りから各人物の考えやそれぞれの関係性が見えてくるのも、物語にしっかりとした地盤があることを感じさせる『神宮寺』シリーズの魅力なのです。

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