黒選!メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1  vol. 14

Column

「ポケットモンスター」ポケモンの歴史と進化を振り返る

「ポケットモンスター」ポケモンの歴史と進化を振り返る

テクノロジーと遊びのさらなる進化でバグも修復「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」

2006年9月28日に、ニンテンドーDS向けタイトルとしてリリースされた「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」。

本作では新たに107種類のモンスターが追加され、それまでのモンスターと合計で493種類となりました。

ニンテンドーDSならではの2画面機能に大幅リニューアルされ、通信機能もWi-Fi搭載でより簡単でダイレクトに楽しめる仕様になりました。これまでの赤外線通信のようにお互い相手に向ける必要が無く、画面操作で簡単に通信が出来るようになったのですが、子供達の間では相手に向けるという行為が自然と馴染んでいたようで、その姿は微笑ましくもありました。

ゲームボーイアドバンスで発売された前々作「サファイア・ルビー」、その後に発売された前作「ファイアレッド・リーフグリーン・エメラルド」との連携が可能になっていて、DSに搭載されているゲームボーイアドバンス用のスロットに差し込んで、本ソフトをDS用スロットに差し込むというダブルスロット状態にすることで、データの送信が可能でした。

このダブルスロットでないと手に入れる事が出来ないポケモンも存在していたので、ポケモン図鑑を完成させるために、子供ながら難しい交換手段を熱心に調べる子もいたようです。新たに増えたキャラクターも含めて、493種類すべてのモンスターの名前を暗記して、特徴や進化の具合まで覚えている子も多くいました。「このくらい熱心に勉強もしてくれれば・・・」という母親の言葉はいつの時代も変わらないものです。

ところで、当時はインターネット回線もADSLが主流で、光回線になってない家庭も多かった時代です。「無線LAN」や「無線ルーター」もまだ一般的とは言えず、「Wi-Fi機能搭載」と書かれていても、理解できない人が多かった頃です。そんな中、「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」にまつわる、ある事件が発生します。

「壁の中ドハマり事件」

本来通り抜けられないマップのドア部分で「なみのり」をすると「なぞのばしょ」へ行けてしまい、そこでデータセーブを行うと元に戻れなくなる、という致命的なバグが発見されました。これはソフトの初期出荷分でのみ起こるバグでした。しかし「ポケットモンスター」の口コミ情報の伝達速度はとても速く、子供たちにこの事象が伝わると、面白さ半分で次々と入り込みに行くユーザーが多発しました。

中には泣きながら親にすがる子供もいたようで、親御さんが困った挙句に販売店に駆け込むなど、ちょっとした騒動にもなりました。

この時の解決手段として注目を浴びたのが、ニンテンドーWi-FiコネクションのDSステーションでした。DSステーションを設置しているお店で修復プログラムをダウンロードする事が可能だったのです。このことがきっかけで、初めて「Wi-Fi」や「無線LAN」という言葉を意識したというユーザーもいたようです。

こうして、遊びの中で自然にテクノロジーの進化に触れ、子供たちは問題を克服していったのです。そんなゲームが「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」でした。

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